ネタバレなしの普通の感想はこちらをご覧ください。
以下はそれぞれのストーリーの紹介。ネタバレ全開です。
!!![ネタバレ全開]!!![ネタバレ注意]!!!
●ダニエルとサム(息子)
この話はすごくいい。ダニエルは若い妻と結婚。妻の連れ子がサム。話は、その妻のお葬式から始まる。血のつながっていない2人の関係が始まる。ダニエルは小学生のサムのほほえましい悩みに正面から向き合い、一人前の大人と同じように扱い、話を聞く。おませなサムも恋に真剣で、とてもかわいい。
●ジェイミーとオーレリア
妻を弟に寝取られた作家のジェイミー。フランスの美しい別荘に籠もって執筆活動をする。そこに紹介されて来たのが、ポルトガル人の家政婦オーレリア。片言のフランス語がやっと話せるだけのジェイミーと、フランス語も英語もできないオーレリアは話は通じないのだが、心は通じ合っていく。
それなのに、この滞在期間中はごく普通に別れ、再開した時は、2人とも相手のことばを必死に習得していたというのがとても良い。求愛の場面は、滑稽なほど大がかりだけれど感動的。
●ビリーとジョー
ここまではじけている老ロック歌手はいいなあ。"怪演"のビリー。ビリーに振り回されるジョーの表情がまた良い。
●ジュリエットとピーターとマーク
この話はとても悲しいけれど、とても良い。
親友の結婚相手を好きになってしまったピーター。それをずっと隠してきてたのだが、その態度をジュリエットのほうは、夫の親友に嫌われていると思いこみ悩んでいる。
ところが結婚式にピーターがジュリエットを撮ったビデオを見られてしまったことから、ジュリエットはピーターの気持ちに気付く。映像にはジュリエットへの気持ちがあふれていたのだ。ここは本当に静かに悲しい。
しかし、クリスマスの夜に玄関に立つ場面は微笑ましい。ここはこの映画の中で一番好きな場面。この場面と最初の結婚式が音楽にあふれる場面がすごくいい。だからこの話が一番好き。イギリスなら結婚式でこんなこと、ありそうだと思う。
●コリンとアメリカンギャル達
いや、これはこんなにうまくいくわけがないと思う。でも、イギリス英語の発音がアメリカンギャルにもてて、こんなふうな会話になるところは容易に想像できる。だからといって、イギリスであそこまでもてなかった男が急にあんなことにとは思うけれど、まあいいんじゃないの、クリスマスだし。
●ジュディとジョー
一番普通な話に見える。でも、2人の設定はあまりにも非日常。官能的な映画の撮影をしている現場。大物のスターは最後の最後に登場して演技をするので、その前は、セットの調子や機材のテストをするために、かわりの人がスターと同じ動きをする。2人はそのために雇われているのだけれど、おしゃべりをしながら、姿だけは大胆なセックスシーンがずっと続く。
その2人が、実にフツーで、この映画の中でも一番フツーで、その上まだ子どもっぽい部分の恋愛が描かれる。この設定とのギャップがなんともいえずおもしろい。
●ハリーとカレン
この話はとても悲しい。体型が崩れていくことを気にしているカレン。夫が、クリスマス前に変な動きをして、いつもと違って1つ余分にプレゼントを買い、それが高価な金のペンダントだったことを知る。それなのに…。しかし、子どもたちの前では涙をふき取って母親を演じる。
あんな馬鹿な若い女より、カレンのほうがずっと素敵なのにと思うのは自分に照らし合わせてのかたよった見方なのか。
●サラとカール
サラは両親の死後、精神を患う弟の面倒を見ながら仕事を続ける、内気で地味な女性。同じ職場の、ものすごくかっこいいデザイナー、カールのことを好きなのは、上司から見ても見え見えなくらい。
カール!、もっとがんばってよ。かっこいいだけじゃだめだよ。
●首相と秘書
この首相役のヒュー・グラントはなんだかなあと思ってしまう。全然首相らしくなくて、「いつもの女たらしのヒュー」でしかない。本人が、「別の映画の撮影があったから、髪が切れなくて首相らしい髪型にできなかった」と言っていたけれど、演技も全然じゃないと思ってしまった。秘書のほうも、あまりにも育ちが悪すぎて、あさはか。
こんなかたちでしか首相を料理できないなんて、イギリスの将来は大丈夫なんだろうかなんて思ってしまう。皮肉にもなっていない。
●米国大統領
これはあんまりだ。
●店員
ミスター・ビーンで有名なローワン・アトキンソンが、ハロッズのように見える店の宝石売り場でおおげさにクリスマス用の包装をする場面がみもの。最後にもう一回、重要な役で出てくる。
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