2005/08/16

『ピーター・パン』"Peter Pan"


『ネバーランド』を見たあと、記憶が薄れてしまっていた『ピーター・パン』を思い出したくなって、このビデオを借りてきた。

子供の頃、本を読んだことがある。それはたぶん原作に近いものだったはずだ。ところがその後、ディズニーの映画を見たため、元の印象がすべて消えてしまってそのイメージしか残らなくなってしまった。ディズニーの「原作淘汰作用」は本当に強い。

この映画はそういう意味で、元のイメージ(もうほとんど覚えていないのだが)を思い起こさせてくれる。

ピーター・パンの影がピーターから離れて逃げ回るところの動きを見てわくわくした。小悪魔的なティンカー・ベルがすばらしい。あんな表情豊かな演技で妖精を演じることができる人はなかなかいないだろう。人魚のイメージは、まるで日本のホラー映画のようだったが、そう来たかという感じでおもしろかった。

基本を押さえたところでスピルバーグ監督の『フック』など、他のピーター・パンものも見たくなった。

2003年
監督:P・J・ホーガン/ジェレミー・サンプター/レイチェル・ハード-ウッド/リュディヴィーヌ・サニエ(「スイミング・プール」)/ジェイソン・アイザック「ハリー・ポッター」/オリビア・ウイリアムズ(「シックス・センス」)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/05/23

『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』"Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events"


 子どもの頃、『不思議の国のアリス』がとても恐かった。その本の近くに行っただけで、表紙がうわっと広がって不思議な、理解できない広がりを持った世界に取り込まれてしまうのではないかと心配だった。年月が経ち、いつしかその恐怖が消えた頃、その世界は魅力的なものに変わった。

 そして、そんなことを感じていたこともすっかり忘れていた今、この映画を見た。レモニー・スニケットの世界は懐かしい感覚を思い出させてくれるものとして私の中に飛び込んできた。蛇の館も、蛇と戯れる子どもも、断崖絶壁の横にはりついたあぶなっかしくも魅力的な家も、そして焼け落ちた家も、その家が建っていた街も、すべてが心の底からわくわくしてくるものだった。画面を静止させておいていつまでも細部をのぞき込んでいたくなるような、そんな世界が広がっていた。

 望遠鏡(spy glass)はどういう意味を持つのだろう。なぜ、あの人たちはそれを持っていたのだろう。きっとシリーズを通して読んで、初めて意味を持つものなのだろう。

 あの不思議な望遠鏡はひょっとすると、現実世界と隣り合わせの「世にも不幸な世界」への入り口なのかもしれない。反対向きにしたら、「世にも幸せな世界」に戻ることができるのではないだろうか。でも、もうしばらくの間、不幸の側を覗いていたいと思った。

2005年/監督:ブラッド・シルバーリング「シティ・オブ・エンジェル」「キャスパー」「ムーンライト・マイル」/オラフ伯爵:ジム・キャリー「ブルース・オールマイティ」「マジェスティック」「トゥルー・マン・ショー」「ライアー・ライアー」「エターナル・サンシャイン」/レモニー・スニケット:ジュード・ロウ「クローサー」「コールドマウンテン」「ロード・トゥ・パーディション」「スターリングラード」「A.I.」「リプリー」「クロコダイルの涙」「オスカー・ワイルド」「ガタカ」/クラウス・ボードレール:リアム・エイケン(「ロード・トゥ・パーディション」「グッドナイト・ムーン」/ヴァイオレット・ボードレール:エミリー・ブラウニング/ミスター・ポー:ティモシー・スポール(「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「クロコダイルの涙」「チキンラン」「バニラ・スカイ」/ストラウス判事:キャサリン・オハラ/モンティおじさん:ビリー・コノリー「ラスト・サムライ」/警官:セドリック・ジ・エンタテイナー「ディボース・ショウ」/ジョセフィーンおばさん:メリル・ストリープ(「めぐりあう時間たち」「ミュージック・オブ・ハート」「母の眠り」「マディソン郡の橋」「クレイマー、クレイマー」/サニー・ボードレール:カラ&シェルビー・ホフマン

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2004/12/23

誰か、このクリスマスストーリー、知りませんか?

-=-=-[こういうあらすじのクリスマス・ストーリー、誰か見たことありませんか?]-=-=-

"One Amazing Night"という題名だったと思う。『世にも不思議なアメージングストーリー』のうちの何巻目かに収録されているはず。

いろいろなクリスマス・ストーリーを見てきたが、これは一番好きな作品。英語版を一度だけ見たことがあるだけで、その後、見る機会がないまま過ぎてしまった。でも、その一度だけの印象がずっと残っている。

クリスマスの夜、サンタさんが、プレゼントを配って回ろうとある家に忍び込んだところ、警報機が鳴ってしまう。そして、そこに駆けつけた警官につかまえられて、サンタさんはブタ箱行き。ブタ箱には先客が何人かいる。皆、サンタの姿。驚くサンタさんだが、実は、先客のサンタ達は皆、こそ泥。

本物のサンタさんは、早く出してもらってプレゼントを配らないとと焦るが、他のサンタ姿の泥棒たちは、「わかったわかった。もうサンタのふりをすることはない。みんな仲間なんだから」と取り合わない。

警官に至っては、そもそもサンタという存在自体を憎んでいるらしい。そして、警官がどうしてサンタを憎むようになったかがだんだんとわかっていき、最後には感動の結末が…。

一度見た後、手にする機会がないまま、良いイメージだけが広がってしまっているのかもしれないが…。このビデオ、日本でも売られているのだろうか。そもそも題名は、これでいいのか。誰かご存じありませんか。もう一度見てみたいんです。

*教えてくださったかたがいて、わかりました。この話、「世にも不思議なアメージングストーリー Xマススペシャル」の中の第4話「52年目のクリスマスプレゼント」というものだったそうです。テレビ・ドラマだったんですね。日本では1991年の放映だったようです。(追記:12/24クリスマス・イブ)

| | コメント (0) | トラックバック (0)