2007/09/14

『ホリディ』"The Holiday"

☆それぞれの役がその俳優、女優のために書かれたようにぴったりのはまり役。

キャメロン・ディアスもケイト・ウィンスレットも一番魅力的な部分が引き出されていた。ジュード・ロウも、ちょっと格好良くないところがカッコイイという一番、キュンと来るぴったりの役。ジャック・ブラックも才能のある、しかし人の良い作曲家という雰囲気そのままの役。

イギリス的な良さとアメリカ的な良さを、そうだったそうだったこういう感じだったと、両方の国に住んでいた頃のことを思い出しながら懐かしく見た。

2006年/監督:ナンシー・マイヤーズ「恋愛適齢期」「ハート・オブ・ウーマン」/キャメロン・ディアス「イン・ハー・シューズ」「「ギャング・オブ・ニューヨーク」「シュレック」「バニラ・スカイ」「マルコヴィッチの穴」「メリーに首ったけ」「真夏の出来事」「ベスト・フレンズ・ウェディング」/ケイト・ウィンスレット「エターナル・サンシャイン」「ネバーランド」「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」「クイルズ」「タイタニック」/ジュード・ロウ「アルフィー」「クローサー」「レモニー・スニケットの…」「コールドマウンテン」「ロード・トゥ・パーディション」「A.I.」「スターリングラード」「リプリー」「クロコダイルの涙」「ガタカ」/ジャック・ブラック「愛しのローズマリー」/イーライ・ウォーラック

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2007/05/21

『隣の女』"La Femme D'a Cote"

☆フランス映画って……と思ってしまった。

正面からそのまま描いた油絵にこんなのがありそうな美しい2軒の家。お向かい引っ越してきたのは昔の恋人。

2人が急速に接近し、情感たっぷりの場面を見せてくれる。それぞれの夫と妻は、わめいたり、叫んだりはせず、あきらめているというか、なんというか比較的冷静に、そして知的に対応している。燃え上がる2人を止めることはできないという共通認識があるのかのように。

恋は人間にはどうしようもならない、悪魔の魔術?

1981年/監督:フランソワ・トリュフォー/ジェラール・ドパルデュー/ファニー・アルダン「永遠のマリア・カラス」「8人の女たち」

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2007/02/22

『ナイロビの蜂』"The Constant Gardener"

☆アフリカの大地、サスペンス、社会問題、ロマンス、すべてが調和して語りかけてくる。

最近、サスペンスに見せかけておいて、謎解きは中途半端なまま、「実はこっちがテーマだったんですよ」というオチになる映画を多く観て、不完全燃焼のし続けだった。これは違う。製薬会社のケニアでの黒い裏話を扱ったサスペンス的要素はきっちりと構成した上で、ロマンスも壮大に締めくくっている。そして最後に、人権問題について考えさせられることになる。

妻テッサ(レイチェル・ワイズ)はアフリカの大地に消息を絶つ。それからの夫ジャスティン(レイフ・ファインズ)の行動はすごい。それまではガーデニングを愛する出自の良い典型的な英国紳士でしかなかったのに、奔放で革命家気質で情熱家だったテッサのやり残したことを理解し、成し遂げるために、軌跡を追っていく。ヤワな上流階級の人間がここまで変われるとは。

2人は正反対であるがゆえに惹かれあい、結婚する。しかし、正反対であることは2人の生活に亀裂を生み出し、結局、それぞれの信念に干渉せず、尊重し合うという形で折り合いを付けて生きてきていた。これまでは。

理解するということはこういうことなのかと思う。レイフ・ファインズは内に秘めた静かな情熱を演じる時、美しく輝く俳優だ。レイチェル・ワイズも美しさもこの背景に合う。そして、その背景を撮っているのが「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスなのだからぴったりはまる。

ひとつだけわからないところがあった。あのピストルだ。→(ネタバレ反転)あれは、護身用ではなく、彼の死を自殺だと偽装するために、最初から仕組まれて手渡されたものだったと理解したのだが、それで正しいのだろうか。そうすると、情報局の彼は自分の癌の話などを持ち出して心を開いたかのように見えたが、実はすべての黒幕だったことになる。そして、ジャスティンはその罠から逃れられないことを知った上で罠に身を投じ、残された最後の手段で真実をイギリスに送って、妻のやりのこしたことを成し遂げたことになる。…という解釈したのだが。

2005年/監督:フェルナンド・メイレレス「シティ・オブ・ゴッド」/レイフ・ファインズ「オスカーとルシンダ」「イングリッシュ・ペイシェント」「シンドラーのリスト」/レイチェル・ワイズ「コンスタンティン」「ニューオリンズ・トライアル」「スターリングラード」「ハムナプトラ」「輝きの海

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2007/02/05

『恋愛適齢期』"Something's Gotta Give"

☆安心して楽しく見ていられる、落ち着いた世代向けのロマンティック・コメディ。

ダイアン・キートン演じるマリンを見ていると、ときおり、「ダイアン・キートンもこんなに老けちゃったんだ」と思わせられる。しかし、それが吹き飛ぶように、はっとするほど美しい瞬間がある。また、変に若ぶっていない素朴な可愛らしさがある。ストーリーが進展していくと、点のようにちりばめられたそんな魅力が徐々に全体を覆っていくようになる。

ハリウッド映画も、美しく年を重ねること、ピークを過ぎた女性の美しさを見せることを考え始めているのだなと思う。そして、それが成功している。

ただ、ジャック・ニコルソンが演じる63歳のプレイボーイ、ハリー魅力をもう少し掘り下げて理解するためには、過去の女性達に聞いてまわった話について、もう少し語らせてほしかったという気がしてならない。もちろん、そんなことなしでも、彼には優しさと格好悪さが混じり合った魅力が存在することはよくわかるのだが……。

脇役達もそれぞれに魅力的。

2003年/監督:ナンシー・メイヤーズ/ジャック・ニコルソン/ダイアン・キートン/キアヌ・リーブス「マトリックス」「コンスタンティン」「恋愛適齢期」「マイ・プライベート・アイダホ」/アマンダ・ピート/フランシス・マクドーマンド

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2006/07/02

『愛しのローズマリー』"Shallow Hal"

☆ギリギリOKな笑いで描き出される差別意識。NGな人も多いかも。

容貌による差別や障害者差別、そして人種差別まで含みそうなギリギリのところを描いているのに、私にはギリギリOK。そのあたりの右と左に分かれる理由って何なんだろうと思う。

グウィネス・パルトロウがほっそりしているのに、まるで太っている人のような動作をして演じているのがすごいと思った。だから、最後のほうで同じグウィネス・パルトロウが太っているほうの役を演じていても、違和感なく可愛いと思えたのだと思う。他の人たちもすべて同じ人が演じていたら「ギリギリOK」のところが、さらに少しだけ「安心して見られる」のほうに移動したのにと思う。

こんなふうに、心の目だけで美醜を見分けられたらいいなあと温かい気分になりながら見ていたのだが、実際に自分がそうなった途端、まわりの人がみんな醜い人ばかりになってしまったら…なんて考えがわいてきた。つまり、そうなっていないところが、この映画を良い映画だなと安心して見ていられる要素となっているのだろう。

2001年/監督:ボビー・ファレリー「メリーに首ったけ」/ジャック・ブラック/グウィネス・パルトロウ「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」「リプリー」「恋におちたシェイクスピア」「大いなる遺産」「スライディング・ドア」「セブン」/ジョー・ウィテレッリ「アナライズ・ミー」「恋するための3つのルール

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2006/05/26

『月の輝く夜に』"Moomstruck"


なかなか自分の殻を破ることができない大人の男性や女性が観るのにぴったりの、おとぎ話のような雰囲気の恋愛映画。

イタリア系の大家族が、狭い社会の中、日本の下町を思わせるような距離感で、温かく見守ったり、ときには近すぎる気まずさを感じながらも思いやりを持って生活していく様子が心を温かくする。

シェールって本当に素敵。ニコラス・ケイジも雰囲気はそう変わらないけれど、若くてびっくりした。こんな時代から出ていたんだ。

1988年/監督:ノーマン・ジェイソン/シェール「イーストウィックの魔女たち」「ニコラス・ケイジ「シティ・オブ・エンジェル」「スネーク・アイズ」「ザ・ロック」

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2006/05/23

『日の名残り』"The Remains of The Day"


重層的な意味を持った深い作品。たぶん、小説はさらに重い意味を持つのだろうが、映画としてもすばらしい味わい深さが出ていた。

アンソニー・ホプキンスが演じる、執事スティーヴン。英国的品格を重んじ、厳格な執事として生きる。そして、その完璧さゆえに、ミス・ケントン(エマ・トンプソン)の彼への気持ちに気づかないだけでなく、自分自身の気持ちにも気づくことができない。

同様に、彼がすばらしい人格の持ち主と敬愛し執事として仕えたダーリントン卿も、別の意味で理想主義ゆえの間違った人生を歩む。ヒトラーが台頭してくる時代だ。ダーリントン卿は品格があり理想主義であったのに、その"理想主義"そのものによって、どこかで歴史を読み間違え、本来あるべき理想を見失う。

2人はだぶって見える。取り返しのつかない日々を、人生の日の名残りの時間に振り返る旅。

アンソニー・ホプキンスの押さえた演技に加えて、エマ・トンプソンの、背筋を伸ばした毅然とした演技が可愛らしさを漂わせている。2人の演技は本当にすばらしい。そして、歴史的な間違いを、身近なものに引き寄せて考えさせられる、上質な映画だと思った。

1993年/監督:ジェームズ・アイヴォリー/原作:カズオ・イシグロ/アンソニー・ホプキンス「白いカラス」「9デイズ」「ハンニバル」「アトランティスのこころ」「ハーモニーベイの夜明け」「羊たちの沈黙」/エマ・トンプソン「ラブ・アクチュアリー」「ウィンター・ゲスト」/ジェームズ・フォックス「チャーリーとチョコレート工場」/クリストファー・リーヴ「裏窓」「スーパーマン」/ピーター・ヴォーン/ヒュー・グラント「ウェールズの山」「ブリジット・ジョンズの日記」「ノッティングヒルの恋人」「恋するための3つのルール」「ラブ・アクチュアリー
日の名残り@映画生活

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2006/03/28

『モディリアーニ 真実の愛』"Modigliani"



有名な画家を描いた映画は、何かひとつ共感できるところがあると、それだけで納得し感動してしまう面があるようだ。モディリアーニの肖像画から抜け出てきたような風情のジャンヌがしゃべっているだけで、画面に吸い込まれるように見入ってしまう。美しい。本当にそれだけをぼーっと見ているだけで感動してしまう。

なぜ2人がそんなに惹かれあったのかきちんとは描かれていないのだが、犬のエピソードや、結婚届けを出すところのおばさんとのやり取りなどを見ていると、わかったような気になってくる。モディリアニの幼い頃の不遇と、時流に乗れない苦悩はどうなっていたのかという点もそう深くは描かれていないが、それでいいような気がしてしまう。ピカソとの愛憎混じったような交流、他にも有名な画家達とのいい感じの友情。それが素敵な感じはするのだが、今ひとつどう素敵なのか踏み込んでいない。でも、頭の中に「あの絵を描いた○○」というのがあるから、思いは映画を離れてどんどん広がり、深まる。

フェルメールを描いた「真珠の耳飾りの少女」を観たのに続いての、絵画モノの鑑賞だった。「真珠の…」のほうが、まだ、こちらよりは丁寧に描かれている。でも、最後に絵が出てきた時に、「あ、ちょっと違う」と思ってしまった。今はわかる。顔そのものの作りの違いが気になったのではない。スカーレット・ヨハンソンの演技が追い付いていないのか、バックグラウンドの描かれ方が違っていたからなのか。似ていないというよりは、違う表情だと思ってしまった。その点、「モディリアーニ」のほうは、道で激しくモディリアーニと喧嘩し、トイレを磨き、そして優しく彼を包むエルザ・ジルベルシタイン演じるジャンヌ、まさにその人だった。

「モンパルナスの灯」というのもモディリアーニのことを描いた映画らしい。観てみたい。

2004年/監督:ミック・デイヴィス/アンディ・ガルシア「オーシャンズ11」/エルザ・ジルベルスタイン
*「 」内は見たことのある作品

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2006/03/06

『仕立屋の恋』"Monsieur Hire"


最初、なにがなんだかわからなかった。真っ赤なトマトの紙袋を階段で落とす女。息を切らして走らされる紳士とまわりの冷ややかな目。どういう意味?あのキスは?娼婦に対する態度は?彼は変態?女は露出趣味?フランス映画の公式や"お約束"がわからないから理解できないのか、それとも、フランス人にとっても思わせぶりな場面なのか。

おまけに、仕立屋が女性の住む窓をのぞき見する場面になる度に流れる、せつなくむなしい音楽が物憂く繰り返される。見始めたのが深夜だったこともあり、睡魔に勝てず、見続けることを断念。

翌日、最初から見直したところ、「あれはわからなくて良かったのだ」とわかった。あの繰り返し流される曲も映画のテーマにぴったりだった。ヒッチ・コックのサスペンスを思わせるような映画だ。ガラスを通して見る人の顔は、心がわかりにくいので怖い。そういうひとつひとつの映像が思わせぶりでもあり、雄弁でもある。

登場人物について思ったことを、ひと言書いてしまうだけで、これから見る人の鑑賞の楽しみを台無しにしてしまうかもしれないので、このあたりでやめておく。

ビデオの表紙の絵がどういう意味なのか気になっていたのだが、そのままの映像が出てくる。そうか、そういう表情だったのか、フランス映画だと思った。フランス映画を語るほどたくさん観たわけでもないのに…。

1989年/監督:パトリス・ルコント/仕立屋イール:ミシェル・ブラン/アリス:サンドリーヌ・ボヌール/リュック・テュイリエ/アンドレ・ウィルム
仕立て屋の恋@映画生活

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2006/01/21

『50回目のファースト・キス』"50 First Dates"


ドリュー・バリモアの屈託のない笑顔と笑い声、それに子供のように素直な驚きの表情が、すばらしく生かされている映画。

監督が、オーディオコメンタリーで、最後のシーンはあとになって予定を変更し、20万ドル掛けて付け加えたものだと言っていたが、このラストにはそれだけの価値がある。ストーリーの結末の付け方が良いということもあるが、それだけでなく、このラストを見て、初めて、観客が主人公と一緒にその見方と驚きを体験し、共有することができるからだ。今まで見た映画の中で一番良いラストだったかもしれない。

「記憶モノ」制覇のために借りてきただけだったが、ストーリーも、低い音のマリンバのような楽器を使った音楽も、ハワイの景色も、そして、適度な笑いも良かった。

*これまでに見た「記憶モノ」
メメント」「エターナル・サンシャイン」「バタフライ・エフェクト」「フォーガットン

2004年/監督:ピーター・シーガル「ウォーター・ボーイ」/アダム・サンドラー「ビッグ・ダディ」「ウォーター・ボーイ」「ウェディング・シンガー」/ドリュー・バリモア「チャーリーズ・エンジェル」「25年目のキス」「エバー・アフター」「ウェディング・シンガー」「スクリーム」「ET」

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