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2009/04/12

『アガサ・クリスティの奥様は名探偵』"Mon petit doigt m'a dit..."

「女はみんな生きている」を見て以来、すっかりカトリーヌ・フロの魅力に取り込まれてしまった。

この年齢で、可愛らしさと美しさを保った女性としての魅力を見せてくれる映画がうれしい。

2人が住む、岬の突端に建つお城のような家。骨董品が普通に家具として使われている家。高級なのだけれど、奇妙な雰囲気の漂う老人ホーム。そして、やっと見つけた絵に描かれた不思議な間取りの家。魔女が棲んでいるような村。

好奇心旺盛で可愛く年を重ねたカトリーヌ・フロと、家と村の魅力にサスペンスが味付けとなり、洒落た感じを堪能した。

2005年/監督:パスカル・トマ/カトリーヌ・フロ

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2009/04/10

『テルマ&ルイーズ』"Thelema & Luise

最初は私の大っ嫌いな展開だった。馬鹿な女友達テルマのせいで、ルイーズはどんどん窮地に陥っていく。世間知らずで、考えが浅く、自分の考えも持たない軽い女。そんな友達との旅行なんて…。

しかし、見ているうちに、そうだったんだ、アメリカは女性が本当にこんなふうに虐げられていたんだと思い出す。レディファーストととか言われながらも、社会でも家庭でも、女は馬鹿で美しければ良いと扱われ、飾り物でしかなかった歴史。

その歴史的呪縛から逃れて、輝きを増していく2人を見ていると、嫌いなタイプの展開なのに、だんだんと気分がスカッとしてくる。

ちょい役で出ているブラッド・ピット。人の良さそうで、素敵な感じの青年。はまり役だ。テルマが自信を持ち、自分の足で歩き出すきっかけとなる重要な役割を持つ。そしてハーヴェイ・カイテルの渋い良さ。

単純な展開と言えばそうなのだけれど、テルマの変化の中に、アメリカの女性が自分を知っていく歴史的背景がにじみ出てくるように描かれていて、この映画の訴えたいところが最後のシーンと共に心に残った。

1991年/監督:リドリー・スコット/スーザン・サランドン/ジーナ・デイビス/ハーヴェイ・カイテル/ブラッド・ピット

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2009/04/03

『ワルキューレ』"Valkyrie"

歴史的な話は結果がわかっている分、ハラハラする面が少なくなってしまう。しかし、ヒトラーとは違うドイツ人がいたことを世界に伝えたいというコンセプトはとても良いと思った。そして、暗殺を企てるだけでなく、綿密に、その後のことを考え、説得していく過程がとてもおもしろかった。むやみやたらに暗殺、転覆を謀るのではない、未来を考えた緻密さ。

手に汗握るという点では、少し物足りないが、意図はしっかり伝わってきた。

2009年/監督:ブライアン・シンガー/トム・クルーズ

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