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2008/09/02

『母をたずねて1800マイル』"La Fille de Keltoum"

☆呪術の力が研ぎ澄まされ、生き続けているような土地で…。

毎日、ロバを引いて水汲みに行くことに過酷な労働と時間を割かれる土地。そんな砂漠の、低木の陰にアスパラしか取れないような地にも、文明を乗せたバスや鉄道や乗用車が通り過ぎていく。ときおり、ポテトチップスのかけらが入った袋や、化粧品の宣伝を載せた雑誌といった文明のかけらを落としながら。

そこへ、スイスのジュネーブに住む20歳の女性がやってくる。自分を捨てた母の名前「ケルトゥム」と村の場所だけを頼りに。しかし、彼女の祖父と未婚の叔母が住むその家に母はいなかった。毎週帰ってくると言われた金曜日、バス停に母は現れなかった。そして、唐突に、彼女とケルトゥムの妹である叔母との、母を訪ねる旅が始まる。

ケルトゥムの妹は、魔術を使えると言われている。少しおかしなところがあると思われているが、彼女の病を癒す力は、村人達に重宝がられている。水さえ得がたいギリギリの生存状況の中で残された、本能的なものが、彼女の中でむき出しになり、研ぎ澄まされて残っているように感じられる。不思議な魅力がある。

道中、言葉を話せない(人と異なった面がある)と同時に、井戸を掘る能力(皆が必要とする生命の源である水を得る力)がある人と出会い。その男性が彼女に恋心を抱くというのも象徴的だ。2人にはこの土地で生きていくのに必要な力が宿っているという共通点がある。

生きるだけでも過酷な地に、さらに女性として生きることの困難さを見せられていく旅になるが、最後にはすばらしい感動が待っている。

2001年/監督:メディ・カレフ「それでも生きる子供たちへ」/シリア・マルキ/パヤ・ペラール

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