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2008/08/03

『サン・ジャックへの道』"Saint Jacques...La Mecaue"

☆巡礼の旅に出てみたくなる。

こういう徒歩中心のツアー、ヨーロッパには他にもありそうな気がする。巡礼の地を目指すツアー。ツアーガイドはみんなの食事も用意しないといけないし、目的地に着いてから全員を泊める宿を探さないといけない。教会や学校を借りることもある。

頑固でドーンとした自信に満ちた高校教師クララと、会社を経営し成功者のように見えるが実は問題を抱えているピエール、そして、アル中で妻にも逃げられ、仕事もないクロード。

仲の悪い兄弟が母親の遺産をもらうため、遺言に書かれた巡礼の旅に出るというのがこの映画の始まり。しかしこの3人だけでなく、好きな同級生に近付きたいばかりに、親に偽り、メッカではなく、キリスト教の巡礼の旅に加わるといったアラブの男の子2人組が加わり、コミカルな味を出している。

日本のドラマでも四国お遍路の旅というのがあるが、どの宗教であっても、巡礼には共通の意味があるのだろう。何度か挟まれている、カーニバルのような夢の映像が、美しいがどこか神経をかき乱されるような気分にさせられる。

2005年/監督:コリーヌ・セロー「女はみんな生きている」

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『閉ざされた森』"Basic"

☆雨降っているし、顔は汚れているし、どの人がどの人か区別がつかない状態ではトリックがわからない。

ジョン・トラボルタと一緒に、さまざまな証言(を再現している画面)を聞き、素直にだまされ、最後にそうなのかと思い、もう1度見て、ああこの複線がそうなのかと思う。

しかし、2度見ても、じゃあなんでわざわざ?というところが私にはよく読み取れず。ふーん。でも、トリックを解くだめだけにもう1度見ようとは思わず、終わりになってしまった。

こういうトリックを楽しむジャンルが得意な人にはおもしろいのかもしれない。

2003年/監督:ジョン・マクティアナン/ジョン・トラボルタ「シビル・アクション」「ベイビー・トーク」「サタデー・ナイト・フィーバー」「キャリー」/サミュエル・L・ジャクソン「イン・マイ・カントリー」「チェンジング・レーン」「アンブレイカブル」「交渉人」「ジェラシック・パーク」

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『不思議惑星キン・ザ・ザ』"Kin-dza-dza"

☆漂う脱力感のとりこになってしまう。

この映画のさらに10年前に作られた「未来惑星ザルドス」を思い出した。空を飛ぶ不思議な形の飛行体やギリシア神話を思わせるユートピアもどきの服装の類似を見ていると、パロディではないかとさえ思った。

しかし、そういった映画にあるはずの緊張感が全くない。この危機的状況に漂う脱力感は何なのだろう。理想を持ち、人間の尊厳を守ろうと思いつつも、無力さが身にしみている。人間らしさを守るための武器も、唯一、この脱力感のみ。このあたりが旧ソ連的なのところなのかもしれない。

この不可思議な雰囲気、好きだ。20年経っても色あせない、いや、色あせているところに新鮮さを感じるという新しさに心底引き込まれてしまった。

1986年/監督:ゲオルギー・ダネリア

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