『ONCE ダブリンの街角で』"ONCE"
☆ダブリンに行ってみたくなる。
一方は街角の古くからある電気修理屋、一方は移民らしい質素な生活。どちらの家も、生活していることが感じられる家。人を招き入れた時、その人の全体像がわっと迫ってくる。それを彼らと一緒に観客も味わう。
音楽も、生活感あふれる会話がそのまま歌となって出てきている。バスの中でfackを連発した歌を歌ってしまい、前のほうに座る老女に謝る。老女はうふふという感じに笑う。心の奥にあるものも、歌となって出てくる。出てくるのが苦しい感情も、不完全なままに顔を出す。自然と生活の中の言葉が歌になってでてきたかのように。
一卵性双生児のように感性がピッタリ合う二人。会った途端に、互いの音楽を聞いた途端に、惹かれ合うのも当然だ。ピアノの前でギターを弾き、最初から息のあったデュエットができるのもその感性の一致。
耳から離れないメロディーと共に、ゆったりとした時間の流れが心に残る。
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