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2008/06/03

『パンズ・ラビリンス』"Pan's Labyrinth"

☆子供に対する贖罪の気持ちが映像となっている。

<ネタバレ気味>

映画を見る時、私は、妖精がいると言われればいると思い、地底に別世界が広がっていると言われればそうなのかと信じて引き込まれる。しかし、この映画はそんなふうには思えなかった。

この映画は、そんな世界はないと思っている大人が、贖罪のために描いた作品だと思う。だから、子供には見えているという、その世界の存在が、観客にとって、信じがたいものであるのも当然だ。あったら救われるのにと思いながらも、そう思うことを許してくれない。

暗い時代に苦しんだ子供達に対して、子供を守れなかったすべての大人が自分自身の罪深さを思い知るために描かれたのだと思う。子供達が救われたなどという世界に安堵感を覚えて、逃げ込むことを拒否している作品だ。

贖罪のためには、どろどろした膿のような罪をすべてはき出さなければいけない。そういう観念がみごとに描かれている。信じたい、信じたいが信じられない。信じるには、奥行きがなさすぎる。チョークで描かれた扉の形がしっかり残っていたのはその象徴だ。あそこに穴が空いていれば、「もしや…」と思える余地が残ったのだろうが、そういう楽なほうへの「逃げ」は拒否される。

2006年監督:ギレルモ・デル・トロ/セルジ・ロペス/イバナ・バケロ

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