『フランシスコの2人の息子』
☆映画館で予告編を見て、子役2人の歌声に魅せらた。
ブラジルで興業成績ナンバーワンの兄弟歌手の半生を描いた成功單。だから、最後に映し出される本人達のステージとそこに上がってくる両親のうれしそうな姿はとてもいい。
しかし、そこに至る過程は知りたいところが今ひとつ描き切れていなかったように思う。下の弟が加わるまでのミロズマルの苦しみの内容やどうやって乗り切ったか、音楽エージェントのうさんくさい男は実はどういう人間だったのか等。
2人の幼い兄弟がうさんくさい男に連れられて巡業に出る様子は、ある中東の国の広場で遭遇した、猿回しの猿のように演技させられ見せ物にされていた子供と重なってしまった。忘れたままにしておきたかったのに。
しかし、この映画はそういうものではなく、父親に捧げるために作られたものなのだろう。実在の歌手を知る人にとっては意味の濃い映画だろう。
作り話にして良いのなら…と私は思う。本当は、あの2人の兄弟には、ずっとバス停で歌い、村の結婚式で歌い、選挙で歌い、結婚し、いつまでも大家族での実生活の中で歌い幸せに年老いてほしかった。
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