『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』"Enron:The Smartest Guys in the Room"
☆実態のつかみにく巨大悪を描き出すドキュメンタリー。
アメリカの大企業が、形のない利益を上げ、株式価格を上げ続け、進んだ会社と思わせつつ、倒産していった過程を追う。タイタニックに例える話し方はわかりやすいし、上手に大金を手にして先に下りていった人がいたことがわかる。カリフォルニアの電気の話は、あまりの展開に、そして、ハマリすぎのモラルのない言葉に、「これ、一時代前に描かれた近未来のSF映画?」とまで思ってしまう。しかし、黒い影がどこでどうつながり、政治家や大手の銀行にまでつながっていったのかはやはりわからない。
時価会計という、将来の利益を見込んだ会計が映画の中ではやり玉に挙がっているが、それは一般的には行われている方法のはず。説明不足だ。悪いのは方法ではなく、それを悪用した会計士。そして、規範を教えて、内部から警告を出すはずだった弁護士。それぞれがそれぞれの担える部分だけでも誠実に実行していれば…などと考えるのは、まだまだ考え方が甘いからだろうか……。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント