『ヒトラー~最期の12日間』"DER UNTERGANG/DOWNFALL"
☆無力で無能、狂暴でさえもないヒトラーの姿を見せつけられる。
ヒトラーの女性秘書の目を通して描かれた映画。激しい爆撃が続くベルリン中心地の地下にある司令部。物も酒も豊富にあり、爆弾は飛来しない安全な地下要塞。そこで精神的に追いつめられていくヒトラー。まわりにいる将校や幹部達も、ヒトラーの無力さに気づき始めているが、すでにヒトラーに反対する力もなければ、何かを切り開こうとする気力もない無能な集団と化している。
一方、秘書3人を始め、女性達には、ヒトラーへの敬愛の情が見られる。ヒトラーは女性達には紳士的で優しく接するのだ。
戦争末期、敗北側の将校を始めとする司令部はこのような収拾もできない無力と狂気のような夢想に飲み込まれてしまうものなのか。手に余る権力を持ってしまった無能な人間が引き起こしてしまった取り返しのつかない状況を嫌というほど見せつけられた。
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