『クリクリのいた夏』"Les Enfants du Marais"
☆心から「いい映画に出会った」と思える作品。
映画で表される「自由」というと、英語圏の映画の影響もあって、「権力からの自由」というイメージがあったが、この映画を見ていると「固定観念からの自由」というイメージが強い。こういう「解き放たれ、固定観念にとらわれずに考える精神」こそが、フランスの「自由」という概念なのだろうと思った。
育った家庭も、受けた教育も、経験も全く違う人々が自然に同じ美しい湿地に集まり、自由な精神で交わり合うようになる。生きていくのに必要なものは湿地が与えてくれる。はらはらしたり、ギクッとしたりする局面はあるものの、自然に抱かれほっとする時が流れる。
ここで描かれている「自由」とは、自由のために戦ったり、排斥したりするのではなく、すべてを受け入れ、飲み込んでいく懐の深いものを育てていくことだということを伝えてくれる。
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