『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』"Proof"
★好きです。こういう、ぱっとしないけれど、まともに考えることのできる、知性で生きる人。
狂ってしまった天才数学者をアンソニー・ホプキンスが演じているので、その天才という面が狂気と同じくらいにリアリティをもって感じられる。一方、その血を引いているかもしれないという不安から、自分の天才的な部分さえも肯定できないでいる彼の娘キャサリン(グウィネス・パルトロウ)。
その数学的大発見は彼女がなしたものか、父親が狂気の隙間で解いたのかというミステリーじみた展開がまずおもしろい。さらに、父の教え子ハルが彼女の真の理解者、そして恋人になれるのかなれないのかという展開に、"常識的"な姉の雑音が入りハラハラさせられる。
私が特に興味深いと思ったのは、知的な彼女にとって、"愛"は論理を超えた気持ちで示されないと安心できないものであるのに、それと同時にやはり論理的にも証明されないと安心できないという点。最後のベンチのシーンを見ながら、「ほらね」と心の中でクスッと笑ってしまった。
*数学者モノとしては他に、「博士の愛した数式」「ビューティフルマインド」「グッドウィル・ハンティング」がある。
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