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2006/12/20

『真実の行方』"Primal Fear"

★エドワード・ノートンの、狂気と神経質さが入り交じった演技がすばらしい。

以下、ネタバレしますので、未見の方は読まないほうが良いかもしれません。

* * * * *

10年前であっても、このネタはすでに本も出版され、話題となっていた。

ビリー・ミリガンから始まり、こういう事実を心理学の面から扱った話も複数、知っているので、この筋自体はあまり衝撃ではなかった。普通は、監督の意のままに操られ、いつもどんでん返しにあっと言わされる素直な観客なのだが、今回は、その嘘も見抜けてしまった。むしろ、「この第3の人格が話していることも真実で、前の人格を統合するとすればこの人格が鍵になるのではないか」などという展開もありだと思えてしまったので、見終わってからも不満が残った。それに、他の伏線も、「あれはどうなったの?」という感じで、放り出されたまま。

しかし、悪徳弁護士のように見えるマーティンが酔っぱらって語った、性善説を信じているから被告人を救いたいというところに本音があると考えると、彼のほうの苦悩のストーリーは興味深い。

大司教がああいう人物であったのが真実なら、やはり、アーロンは被害者だ。このあたりや、元恋人であるジャネットとの絡みにも何かがあるはずだ。じっくり考えたい内容があったのに、エドワード・ノートンの演技に度肝を抜かれ、目を奪われてしまって、頭が働かなかったのが残念だったというのは、皮肉なことだ。

1996年/監督:グレゴリー・ホプリット/リチャード・ギア「シカゴ」「オータム・イン・ニューヨーク」/ローラ・リニー「愛についてのキンゼイ・レポート」「ライフ・オブ・デイビッド・ゲイル」「ラブ・アクチュアリー」「トゥルーマン・ショー」/エドワード・ノートン

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