« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006/11/30

『遠い夜明け』"Cry Freedom"

★若きデンゼル・ワシントンが輝いている。

こんな状況の中から南アフリカはマンデラ氏を釈放し、アパルトヘイトを廃止するに至り、マンデラ氏は大統領になったという事実を改めて思った。すごいことだ。

黒人には文化があったこと。それを誇りに思うことをビコ(デンゼル・ワシントン)は重ねて説き、戦う。一方、あとから来た白人もすでに何代かそこに住み、その土地を愛していたという歴史。

若きデンゼル・ワシントンはこうやって登場したんだと感慨深かった。輝いている。

1987年/監督:リチャード・アッテンボロー「ガンジー」「34丁目の奇跡」/ケビン・クライン「卒業の朝」「海辺の家」「デーヴ」/デンゼル・ワシントン「ジョンQ-最後の決断-」「トレーニング デイ」「マルコムX」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/29

『ブルワース』"Bulworth"

★大統領候補がノリノリのラップで演説するところは面白い。

しかし、白人ラップの技という点では、当然とはいえ、エミネムの『8マイル』には及ばない。大統領モノとしてのおもしろさも今ひとつ。当時の政治情勢の中で見たらおもしろかったのかもしれないが…。

ワグ・ザ・ドッグ/ウワサの真相』のほうが皮肉が効いているし、『デーヴ』のほうがジャンルがしっかりしていて安心して見られる。『インディペンデンス・デー』はカッコ良すぎるにしても、ちょっと変わった「大統領モノ」も見てみようかという感じなら良いかも。

1998年/監督&主演:ウォーレン・ベィーティ「バグジー」/ハル・ベリー「ゴシカ」チョコレート」/ドン・チードル「クラッシュ」「ホテル・ルワンダ」「16歳の合衆国」「オーシャンズ11」「ミッション・トゥ・マーズ」「トラフィック」/オリバー・プラット

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/11/27

『ニュースの天才』"Shattered Glass"

★騙された側の「善意と良心」に気持ちを合わせて鑑賞すると、感慨深いものがある。

アメリカ人に残されている数少ない美点(←偏見あり)のひとつに、若い才能に惜しみなく力を注ぎ、助け、それに喜びを感じるというものがある。それが完全に逆手に取られてしまった事件……という描き方がされている。そして、私はそこに納得した。

たぶん、彼が若くもなく、才能を持った人間でもなかったのなら、「嘘かも」という小さな思いを抱いた誰かがチェックを入れていたことだろう。そもそも、若い才能の芽を伸ばすことに熱心でない社会(日本のようなとは言いたくないが…)であったのなら、若い彼が伝統ある雑誌に名前入りで記事を載せ続けることができたかどうかさえ疑問だ。

この事件のように、「アメリカの善意と良心」が踏みにじられ、少しずつすり減っていくのかと思うと、全然好きではないアメリカなのに、悲しい。

スティーブンが母校の生徒を前にジャーナリズムの仕事について語る場面のストーリーと、事件発覚前後のストーリーとを平行して見せていく手法が、無駄な説明なしに、ジャーナリズムの仕組みを語り、彼の心の隙間を垣間見せることに、成功している。

これは記事をねつ造したスティーブンの映画ではなく、騙された側の善意を、苦い思いで描き出した映画なのだと思う。

2003年/監督:ビリー・レイ/ヘイデン・クリステンセン「海辺の家」/ピーター・サースガード「フライトプラン」「愛についてのキンゼイ・レポート」/クロエ・セヴィーニー
ニュースの天才@映画生活

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/26

『プロデユーサーズ』"The Producers"

★そのまま舞台で見られたら最高だったと思った。

舞台で見ているようなセットの中で、コミカルな歌が上手に使われている。ミュージカルの笑いとして、自然に笑ってしまう。場面転換も舞台のようで、見ていると、自分の体内時計が舞台の観客のほうに合っていくような気がしてくる。

おばあさん達が出てくるところも、劇中劇のヒトラーの部分も、牢屋に入れられたネイサン・レインの歌も、繰り返して見てしまったほど盛り上がる。舞台なら拍手喝采が来ることだろう。

しかし、映画になるとね…と思う。いくつかの歌の盛り上がりは楽しめるけれど、全体の筋として感動する、あるいは訴えかける部分が弱いからだと思う。舞台を見るための下準備。ブロードウェイで見る日を夢見つつ楽しんだ。

2005年/監督:スーザン・ストローマン/ネイサン・レイン/マシュー・プロデリック「ステップフォード・ワイフ」/ユマ・サーマン「ガタカ」/ウィル・フェレル「奥さまは魔女

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/22

『ミザリー』"Misery"

★主演女優賞のキャシー・ベイツだけでなく、ジェームズ・カーンの演技も素晴らしい。

有名なこのホラー作品をやっと観た。作家のシリーズ本『ミザリー』に心酔しきったファンであるアニー(キャシー・ベイツ)が、雪山で交通事故に遭ったその作家ポール(ジェームズ・カーン)を救い出す。

看護婦でもあるアニーは、左手がわずかに動くだけのポールの世話をし、手厚く看病しているかに見えたのだが…。

アニーの異常な優しさから、混乱と怒りの感情へ変わる瞬間が恐い。そして一旦、混乱と怒りの感情を見せられると、今度は、ちょっとした言葉で童女のように顔を輝かせる様子に背筋がゾクッと来るようになる。いや、むしろ可愛らしい表情のほうにこそ恐怖を感じるようになってくるのだ。このあたりの見せ方、演じ方(キャシー・ベイツもジェームズ・カーンも)が素晴らしい。

見ているうちに、アニーの心理状態、生育歴に興味がわいてくる。閉じこめられている間に書いた作品や、作家の側の作家としての心理にも。やはり、これは原作を読まなくては。

監督:ロブ・ライナー「エドtv」「ハリウッド・ミューズ」「ア・フュー・グッドメン」「スタンド・バイ・ミー」/ジェイムス・カーン/原作:スティーヴン・キング「シークレット・ウィンドウ」「アトランティスのこころ」「グリーンマイル」「スティーヴン・キングのシャイニング」「ショーシャンクの空」「イット」「やつらはとこどき帰ってくる」「スタンド・バイ・ミー」「シャイニング」/キャシー・ベイツ「アバウト・シュミット」「ウォーターボーイ」「輝きの海」「タイタニック」/リチャード・ファーンズワース「ストレイト・ストーリー」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/01

『ジョー・ブラックをよろしく』"Meet Joe Black"

★3時間が心地良くあっという間に過ぎていった。

同じ年に作られている『シティ・オブ・エンジェル』を思い出した。『シティ…』の天使より『ジョー…』の死に神のほうがずっと天使らしく、『シティ…』の天使のほうが実質的に死に神に近い。どちらも、人間としての感覚を知らず、ある意味「無垢」だ。その無垢の状態から「感じる」ことの段階を一段一段登っていく。『ジョー…』の死に神はピーナッツバターから始めて、さらに上級なもの愛へと。この面からだけ見ると、どちらの映画もかなり官能的なラブストーリーだと思う。

しかし、それ以上に『ジョー…』のほうは、アンソニー・ホプキンスの演じる大富豪パリッシュの役どころが味わい深い。死を予告された人間を描いた映画はいくつかあるが、ここまで立派な態度を貫ける大人物はなかなか描かれない。普通、社長で権力もある大富豪が、それにふさわしい立派な人物として捉えられることは滅多にない。たいていは悪役だ。そこを、こうやって感動させるのだから、筋もさることながら、役者の力も大きいと思う。

父から可愛がられている娘、ウマが合わず、あまり可愛がられなかった娘、その2人の対比も無理なく描かれている。

3時間もある映画だが、それぞれの気持ちがゆっくりと伝わってくる演技と演出がとても良い。

1998年/監督:マーティン・ブレスト「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」/ブラッド・ピット「Mr.&Mrs.スミス」「オーシャンズ11」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」「セブン」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」/アンソニー・ホプキンス「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」「白いカラス」「9デイズ」「アトランティスのこころ」「ハンニバル」「ハーモニーベイの夜明け」「日の名残り

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »