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2006/08/21

『ザ・コーポレーション』"The Corporation"

☆法"人"という欠陥"人間"に社会は振り回されているのか

メッセージは明快だ。「企業をのさばらせてはいけない。すぐに行動せよ」と。しかし、この映画には、心からそれを納得させ、行動する動機を与える力が足りない。

環境汚染、資源を使い尽くす社会構造、ホルモン剤投与による牛乳の危険性。震え上がるほどの恐い。恐怖を与えるところまでは成功している。それなのに、映画が「敵」としているものとその恐怖との関連性とがあまり明確に示されていない。

しかし、発想転換のきっかけとしては、かなりおもしろいものが示唆されていた。

組織に「法人(=コーポレーション)」という人格が与えられ、財産を持つことができるようになり、人間と同様、利益追求ができるようになった。ところがこの仕組みは、ヒトとして欠陥のある人格を生み出すことになった。そして、巨大で破壊された人格を持つコーポレーションという法「人」は、人間と地球を破壊しながら増殖する。

パラダイム変換して、地球と人間を生かす新しい仕組みを考えなくてはいけない。「それが何か?」に答えは与えられていないが、確かにこの道には一筋の光があると思えた。

2004年/監督:マーク・アクバー、ジェニファー・アボット/マイケル・ムーア「華氏911」「ボーリング・フォー・コロンバイン」「ロジャー&ミー」/ノーム・チョムスキー

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