『プリシラ』"The Adventures of Priscilla, Queen of The Desert"
☆荒野を舞台にしたドラッグクイーンのショーが妖しく素晴らしい
都会では受け入れられているドラッグクイーンの3人も、オーストラリア内陸部の保守的な地域に入っていくと、排斥され、蔑まれる。3人はそれに涙しながらただ耐える。そういう地域のクラブでの3人のショーは、ゲテモノの3流に見える。
ところが、一転して沙漠での心の赴くままのショーは、斬新さに度肝を抜かれる観客を放っておいて、私たちこそ主役よとばかりに生き生きと輝く。悪趣味と紙一重の衣装は、力強い自然に負けない強さを3人に与える。
衣装と音楽と踊りを含めたパーフォーマンス芸術という意味で最高の映画だと思う。ストーリーはというと、悪くはないかもしれないけれど、アクの強い芸術性の前でかすんでしまったという感じがします。
また、テレンス・スタンプの演じる老婦人は上品で、美しく生きていて素晴らしい。言動にも潔い美しさがある。こんなふうに気高く美しく老いることのできる"女性"はそうそういないだろうと思わせるところがすばらしい。
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