『県庁の星』
☆まぬけと紙一重の知性派ヒーローを織田裕二が魅力的に演じる
在庫管理がめちゃめちゃで、従業員はみんなやる気がない。規模だけが大きいスーパー、満天堂。毎日ここで買い物することになったら嫌だけれど、このタラーっとした「人間味」、人間関係としてはすごくいい。郷愁すら感じる。
頭の切れは抜群で「ヒーロー」なんだけれど、心を入れ替えた後ばかりでなく、入れ替える前の嫌な奴の時もやっぱり控えめな態度。絵に描いたような悪役でもなく、典型的なヒーローでもない。この微妙な味わいが良い。
「県庁さん」と呼ばれるエリート。嫌われているようで、嫌われていない、どこか間抜けなネーミング。
アムステルダム行きの古い飛行機の機内で、雑音の入る音声&前にある小さな画面での鑑賞となってしまったが、楽しめた。
ここからネタバレ→結局、彼の努力はあまり報いられない形になるが、それでも彼はへこたれない。いくら踏みつけられても、彼はこのままで終わりそうにないという雰囲気を残し、コーヒーが無料になるという小さな成果が控えめに花開く。スーパーマンのように華々しくないけれど、地道な頭脳派ヒーロー。かっこいい。ゴミ箱の書類、誰か拾ってくれるかな。
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コメント
TB毎度です^^
いいですよねー。堅物が集まるエリート会社より、案外人情味あふれる地味なスーパーも。
織田雄二の気持ちが入れ替わる瞬間もいいですよね。苦悩して挫折して人は成長するもんですしね。
投稿: KAZU | 2006/11/22 10:31