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2006/03/06

『仕立屋の恋』"Monsieur Hire"


最初、なにがなんだかわからなかった。真っ赤なトマトの紙袋を階段で落とす女。息を切らして走らされる紳士とまわりの冷ややかな目。どういう意味?あのキスは?娼婦に対する態度は?彼は変態?女は露出趣味?フランス映画の公式や"お約束"がわからないから理解できないのか、それとも、フランス人にとっても思わせぶりな場面なのか。

おまけに、仕立屋が女性の住む窓をのぞき見する場面になる度に流れる、せつなくむなしい音楽が物憂く繰り返される。見始めたのが深夜だったこともあり、睡魔に勝てず、見続けることを断念。

翌日、最初から見直したところ、「あれはわからなくて良かったのだ」とわかった。あの繰り返し流される曲も映画のテーマにぴったりだった。ヒッチ・コックのサスペンスを思わせるような映画だ。ガラスを通して見る人の顔は、心がわかりにくいので怖い。そういうひとつひとつの映像が思わせぶりでもあり、雄弁でもある。

登場人物について思ったことを、ひと言書いてしまうだけで、これから見る人の鑑賞の楽しみを台無しにしてしまうかもしれないので、このあたりでやめておく。

ビデオの表紙の絵がどういう意味なのか気になっていたのだが、そのままの映像が出てくる。そうか、そういう表情だったのか、フランス映画だと思った。フランス映画を語るほどたくさん観たわけでもないのに…。

1989年/監督:パトリス・ルコント/仕立屋イール:ミシェル・ブラン/アリス:サンドリーヌ・ボヌール/リュック・テュイリエ/アンドレ・ウィルム

仕立て屋の恋@映画生活

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