『ヴァージン・スーサイズ』"The Virgin Suicides"
鬱屈したもの、放出できない苦しみが、5人姉妹の中で淀み、母親の厳格な教育と相まって、新鮮な空気が入ってこない環境を作り出し、閉塞感が増す。
池の藻が腐ってそこらじゅうに臭気を漂わせる、あの「窒息」という名のパーティに象徴される雰囲気だ。緑がかってぼやけたあのパーティと同質のものが5人の少女達を「窒息」へと追い込んでいったのだろう。
精神的にどうしても少女達に追いつけない少年達のメッセージは少女達には届かない。
『ロスト・イン・トランスレーション』もそうだったが、今ひとつわからないのに、雰囲気でわかったような気がしてきて、そのイメージが心のどこかに棲みついてしまう。ソフィア・コッポラの映画の特徴なのかもしれない。
・ヴァージン・スーサイズ@映画生活
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント