『ラヂオの時間』
登場人物ひとりひとりがみな強い個性の持ち主。勝手なことばかり言う。無茶な状況を作るのにそれぞれが一役を買ってしまっているのに、誰にもその自覚がない。
その個性にプラスして、それぞれが持ち、なぜかそこだけは一流であるプロの技が光り、笑える。わがままな大女優、千本のっこ(戸田恵子)が、ギャーと見事に叫んだあと、顔は普通のままマイクから離れ、さっと素に戻る時のおかしさ。めちゃくちゃな状況なのに、冷静沈着な声で話し出すナレーター。わがままなのに飄々としていて、無責任なのに声だけかっこいい浜村(細川俊之)。そして、そこに突然出てきた、プロでない「ジョージ」の間抜けさと真剣さには吹き出してしまった。迫力のある花火の技と、それを作り出すあの脱力する動作。そういうちぐはぐさ、非対称がすべてにおいて可笑しかった。
三谷幸喜にはまりそう。上映中の『THE有頂天ホテル』、観に行きたくなってきた。
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コメント
今日『THE有頂天ホテル』観てきました。
私は三谷さんよりもクドカンのほうが好きかもしれません。
古畑任三郎はすごく好きですけどね。
投稿: 多感な奴@CINEMA IN/OUT | 2006/01/22 23:52
多感な奴さん、コメントありがとうございます。
『有頂天ホテル』ご覧になったのだなあとブログを読ませていただいていました。私はもともと英語の勉強という不純な(笑)動機で映画を見始めたので、邦画をほとんど見ていないんです。「クドカン」も「古畑任三郎」も今調べて、初めて認識した次第。
宮藤官九郎の初心者は何から見ればいいのかな。
投稿: ちんとん@ホームビデオシアター | 2006/01/23 06:31
クドカンは脚本+映画監督としては
『真夜中の弥次さん喜多さん』の1作だけなので、
まずはこれをオススメします。個人的にかなりのお気に入りです。
笑い+ベタな感動を醸し出すのがウマいと思うんですよね。
あとは脚本を手がけた『GO』『ゼブラーマン』『ピンポン』など、どれも好きですね。
投稿: 多感な奴@CINEMA IN/OUT | 2006/01/23 22:39
笑い+ベタな感動 ですか。邦画を観ていないので、想像できません。これはチェックしなくては。ご紹介ありがとうございました。
投稿: ちんとん | 2006/01/24 20:41