『モナリザ・スマイル』"Mona Lisa Smile"
専業主婦であることが重要であった時代、保守的な女子大に進歩的な思想を持ち込んだ女教師キャサリン・ワトソン(ジュリア・ロバーツ)の話。それなのに、私はその進歩的教育より、ボストンの名門女子大ウェルズリーで行われていた保守的な花嫁教育のすばらしさに感銘を受けてしまった。
上流階級の主婦となるのにふさわしい教養と、さまざまな局面で機転を利かす知恵、それらを教える名門女子大のすばらしさ。そこで学ぶ女子学生達の勤勉さと頭脳。これがアメリカの古き良き時代の伝統の元となっていたのではないだろうか。
しかし、よく考えてみると、キャサリンは「進歩的になれ」と教えたわけではない。価値観にとらわれることなく、自由な目で物事を見、自分の頭で考えることの大切さを説いただけだ。もしかすると、現代を生きる女性達もまた別の、新しそうな匂いのする呪縛にとらわれているだけなのかもしれない。
中にいくつか面白い場面があった。まず、最初の授業での新人教師いびり。どうせ新人いびりをするなら、こうでなくてはと、見ていて爽快だった。そして、感動的だったのは、ギゼル(マギー・ギレンホール)がベティ(キルスティン・ダンスト)を強く抱きしめる場面。
知的で、考え深げなジュリア・ロバーツがぴったりの役所を演じる一方、若手女優の演技を見るのも楽しかった。
*エリート校モノとしては他に『卒業の朝』『セント・オブ・ウーマン~夢の香り~』『翼のない天使』『クルーエル・インテンションズ』『グッド・ウィル・ハンティング』などがあります。
・モナリザ・スマイル@映画生活
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