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2006/01/01

『クローサー』"Closer"←わからないことばかりだった

!!ネタバレ注意 ネタバレ全開!!

ダンとアリスの出会いはすばらしかった。死亡記事欄についての会話も、公園の「誰かを救うために命を落とした人たち」の石碑の文字をよく読みたくて、巻き戻して、ストップして読んでしまった。美男美女のあのカップルがロンドンを歩く姿は人が振り返りそう。なかなか良い出だしだ。

でも、あんな素敵な出会いで、あんな素敵な娘で、小説まで書いてしまうくらいだったのに、写真を撮るために初めて会った(?)アンナになんで突然キス!という展開になるの? アリスが来ることもわかっているのに…。一目惚れ? どこに? …ついていけない。

そのあとのチャットで見るダンの姿からわかるように、ダンは、アリスが好きだったから彼女のことを理解して小説を書いたというよりは、表面的なお遊びが好きなただの薄っぺらな男で、その口先、筆先のテクニックだけで小説を書いた…だから売れなかった…ってことなのだろう。

チャットは笑える。そして、思いつきで書いた「水族館のアンナ」。それが真実になってしまう。「水族館」というキーワードの会話は前の場面と続いていて洒落ている。ツナサンドイッチ食べるし…。このあたりまでのアンナは大人の落ち着いた魅力があり、知的。私は「素敵だなあ」と結構、大人の魅力を楽しんで見ていたのだけれど…。

でも、あんな変態男としか思えないラリーとなぜ…。まあ、突然1年後に飛んでわからなくなっただけで、そこには納得できる展開があったと考えるのがお約束なのだろう。

しかし、なぜ突然、不倫という展開になるのか。ダンはそういう軽い男だったということなんだろうけれど、アンナのほうはよくわからない。ラリーが出張から帰ってきた時の会話から、2人はもともとうまくいっていなかったようにも思えるが…。

その後のアンナのことはわからないことばかり。2人の間の秘め事を、聞かれたからとはいえ、なぜ詳細に語るのか。いや、詳細を語らせたがる男、それを知った男、さらに知りたがる男、そして、それに対して見切りを付ける女と、そうでない女というのがテーマなのか。比べたら、何かが出てきそうなのだけれど、見当もつかない。

ラリーがああいう行動(アンナからダンとの具体的なことまで聞き出したこと、分かれる前に診察台で…のこと、アリスに迫ったこと、アリスと関係を持ったこと←持ったの?)に出たのは、すべて復讐心からなのか? どこまでが感情にまかせてのもので、どこからが計算だったのだろう。

そしてみんな嘘つき!…となって、アリスだけは別…と思っていたら、実は…。でも、あれは誠実さという観点から見れば別に「嘘」ではないが…。

ラリーは変態男と思っていたけれど、実は、純粋にアンナが好きで、そのためにはプライドもかなぐり捨てて、捨て身の行動に出て、さらに冷静沈着に計算し、すべてを許し欲しいものを手にするという頼もしい男なの?

ダンは根っからの、上っ面男で、カッコだけ? 最後は捨てられ1人寂しくというのも自業自得。これは当たっているだろうなあ。

アンナは自立した大人の女性のように見えたけれど、不倫したり、戻ったり、わけがわからない…。

そして最後の場面。ロンドンでは誰も振り返らなかったアリスだけれど、今、ニューヨークを歩くとみんなが振り返る。こんなに成長し、成熟し、美しくなった…ということなのかなあ。

魅力的な役者4人が揃っていて、会話の妙に満足して見たのだけれど、わからないことばかりで、全然納得しないまま終わってしまった。クローサーってどういう意味だったのだろう。

うわっ、この監督、あの「2999年異性への旅」を作った人だったんだ。「卒業」でアカデミー監督賞も取ってる。うーん。

2004年/監督:マイク・ニコルズ「2999年異性への旅」「卒業」/ジュリア・ロバーツ「オーシャンズ11」「ノッティングヒルの恋人」「グッドナイト・ムーン」「ベスト・フレンズ・ウェディング」/ジュード・ロウ「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」(「コールドマウンテン」「ロード・トゥ・パーディション」「スターリングラード」「A.I.」「リプリー」「クロコダイルの涙」「オスカー・ワイルド」「ガタカ」)/ナタリー・ポートマン「コールドマウンテン」「レオン」/クライブ・オーウェン「ボーン・アイデンティティ」「グリーンフィンガーズ」

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