『世界で一番不運で幸せな私』"Jeux d'enfants"
悪戯がぶっ飛んでいる。『アメリ』もかなりギリギリの線で超えていたが、それを遙かに超えている。
許容範囲を超えるその悪戯だが、ソフィーの悪戯はジュリアンへの愛がゲームの形で表現されているのに対し、ジュリアンのほうは、大人になっても子供の悪戯のままで、ゲームが愛を傷つけていることに気づかない。「男ってこうなのよね」ということなのか。そのすれ違いが哀しい。
あの指輪を預ける場面は最悪だ。ひどすぎる。ジュリアンは、自分でもゲームなのか本気なのかわからなくなって、本当の気持ちを見失ってしまっている。
常識にとらわれず、あそこまでぶち抜けられたらなあという気持ちはある。一方、あれはたまらないと、やはり強く思う。いや、彼らは、ぶち抜けてばかりではなく、わくわくしない堅実な生活をしようともしているのだが…。
最初に再会したところでハッピーエンドになっていたら、納得できたのに…。いや、そうではないところが「芸術」であり、忘れている心を呼び起こす起爆剤となっているのだから……。納得するのが難しい映画だ。
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