『スイミング・プール』"Swiming Pool"
「イギリスの女は一番もてない」と書かれた雑誌やユーモア本をイギリスの書店でよく見かけたが、まさにそれを地でいく人気作家のサラ・モートンが主人公。
ファンから声を掛けられても、うるさそうに冷たく反応するし、話し方も、ホルモンバランス崩しているんじゃないの?という筋金入りの感じ悪さ。
でも、違うんですねえ。最後まで見て、びっくりしてしまいました。作家ってすばらしい。なんて魅力的で、生き生きしていて、みずみずしい感性を持っているんだろう。きっと自分が、どう見られているかもしっかり知った上で、客観的に自分を見て、その自分を笑うことさえできる。こういう知的な熟年の女性になりたいものだと思ってしまいました。
ネタバレしたらおしまいなので、筋に触れそうなことは書きません。でも、ここ数年で見た映画のなかで、一番好きなものになりそう。
ネタバレコメント(反転させて読んでください)→プールはビニールで覆われたまま1度も開かれなかったのではないかと思う。
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コメント
ども、ご無沙汰です。
私はこの作品、映画館で観たんですよ。
あのラストシーンを観てハァ?!となって、
「金返せ」と一瞬思ったのですが、
その後勝手に分かった気になって忘却の淵に沈んでおりました。
とにかくシャロット・ランプリングの素晴らしさに尽きますね。
あの無愛想さ・そっけなさの中にアヤしいイマジネーションを封じ込めている作家の役がとてもハマっていました。
投稿: 多感な奴@CINEMA IN/OUT | 2005/10/16 22:06
多感な奴さん、コメントありがとうございました。
この作品、映画館で見られたんですか。いいなあ。きれいな映像だったことと思います。でも、これは2度見るとさらに納得する映画だと思います。
誰かと一緒に見て、あそこはどうだった、ここはこうなのではなどと話すとさらに好きになっていく映画だと思いました。
最後のほうの、編集室でバンと突きつける時のさわやかで、美しいシャロット・ランプリングの顔。リュディヴィーヌ・サニエの、この世のものとは思えない美しさとは対照的な場所に位置する、同種の美しさを感じました。
でも、この映画を見て、シャロット・ランプリングが美しさに気づくことのできる男性というのは、なかなかいないと思います。さすが「多感な」というだけのことはある。感心しました。
投稿: ちんとん | 2005/10/16 22:54