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2005/09/20

『ソウ』"Saw"



気持ち悪そうでどうしても見られないとノベライズ本を読んですませていたのだが、ふと魔が差してビデオを見てしまった。

不思議なことに、生々しい場面の衝撃が、本を読んだ時より少なかった。映画の場面はカシャッカシャッという音で切り替えられ、気持ち悪い状況を想像する間もなく次へと移っていくことで臨場感が増す。本を通すと、自分が能動的に作り上げた映像がいつまでも頭の中に残ってしまう。その違いだと思った。

本で仕掛けを知っているのに、展開のおもしろさに引き込まれて一気に見てしまった。この映画が、謎解きのおもしろさだけでなく、それぞれの心理描写にも注意を払って作られているからだ。

メインキャラクター2人の、次第に変化していく心理状態と、2人の対照的な性格の対比がきちんと描かれているだけでなく、2人の警官の心理、検査室でのゼップと若い医師と患者の心理、ゴードン医師の家族の心理が何気ない形で、短いシーンの中にしっかり描かれて主題を支えている。

傲慢で命に敬意を払わない人間としてゲームに参加させられているゴードン医師なのに、私は彼のキャラクターに惹かれた。その一方で、アダムの間抜けな感じさえする、物事を深く考えない単純さにも惹かれた。正反対の2人なのに。

アダムの単純さとゴードン医師の頭脳と冷静さ潔さ、それらが前半できめ細かく描かれているため、「致命傷にならないように…」の部分を含めた後半の展開が納得できる。最後の2人の会話には感動すら覚えた。こんな異常の話なのに心が温まってしまう。映画が終わってからの描かれていない部分、ハッピーエンドだったと思いたい。

ノベライズ本を見た時の感想はこちら

監督:ジェームズ・ワン/アダム:リー・ワネル/ゴードン:ケアリー・エルウェズ

*そして3/21、とうとう『ソウ2』も見てしまった。

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コメント

ご覧になりましたかー。
ちょっとビックリしました。
なんのきっかけで観る気になったのか?に興味があります。(笑)

でもノベライズで予習(?)しておいただけあって、あまりショックもなかったようで良かったです。
ノベライズで惨殺シーンを描写する方が懇切丁寧に書かれているから、気持ち悪くて脳裏に焼きつきそうですもんね。

私もアダムとゴードンの最後の会話には少し感動を覚えましたよ。
もしかしたらあの二人の間には友情のようなものが芽生えているのかもしれないなぁなんて。

そういえば、この作品の続編が近く公開されるはずです。
少しずつ入ってくる情報だと、アノ人は死んでいないそうで・・・。それはすごい話だなぁと・・・。
楽しみにしています。

投稿: つっきー | 2005/09/25 06:18

つっきーさん、コメントとブログ再開おめでとうございます。

きっかけは、魔が差したとしか言いようがないんです。ビデオ店の棚を見ていたら、ふらふらとその気になってしまいました。

アダムとゴードンを演じたのが、トム・クルーズとケビン・スペイシーなどという豪華コンビじゃないからいいんだと思いました。続編、あの人は死んでいないとしても、あの人はいくらなんでもまだ生きているはずないですよね。

投稿: ちんとん | 2005/09/25 20:23

おはようございます。
トラバ&コメントありがとうございます。

>本で仕掛けを知っているのに、展開のおもしろさに引き込まれて一気に見てしまった。

まさにこの事が、この作品の魅力でしょう。有無を言わさないスピード感のある展開。若いスタッフの凝縮された集中力が生んだ快作だと思います。

またお邪魔しますね♪

投稿: 耕作 | 2006/03/13 06:29

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