『豚が飛ぶとき』"When Pigs Fly"
さびれた港町、小さな酒場「エリンの薔薇」が舞台。
背筋がぞくっと来るような幽霊が当たり前のように出てくるのだけれど、なぜかほのぼのとした雰囲気が漂う。怖がりながらも、幽霊の言うことをちゃんと聞いてあげなくてはと考えるスランプのジャズ演奏家マーティと、「エリンの薔薇」のウエイトレス、シーラの間抜けなまでな人の良さが見ている人をクスリとさせて、ほっとさせる。
恐いのだけれど、温かい気分になれる作品。音楽と効果音がとても良い。
幽霊は、「エリンの薔薇」のオーナーの奥さんだったリリーと、可愛くて、奔放な少女の幽霊の2人。この2人、「その椅子で死んだ」というだけで、ずっと一緒にいるという不思議な関係。親子ほどに年が離れているのに、対等で、互いに意見を求めたり、話し合ったりするところがおもしろい。
幽霊、音楽、寂れた酒場、殺人事件、それが洒落た感じにまとまっていて、ほろりとさせる。すっかり、この雰囲気が気に入ってしまった。アイルランド音楽とジャズに詳しかったら、さらに深く味わえたと思う。
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