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2005/05/23

『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』"Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events"


 子どもの頃、『不思議の国のアリス』がとても恐かった。その本の近くに行っただけで、表紙がうわっと広がって不思議な、理解できない広がりを持った世界に取り込まれてしまうのではないかと心配だった。年月が経ち、いつしかその恐怖が消えた頃、その世界は魅力的なものに変わった。

 そして、そんなことを感じていたこともすっかり忘れていた今、この映画を見た。レモニー・スニケットの世界は懐かしい感覚を思い出させてくれるものとして私の中に飛び込んできた。蛇の館も、蛇と戯れる子どもも、断崖絶壁の横にはりついたあぶなっかしくも魅力的な家も、そして焼け落ちた家も、その家が建っていた街も、すべてが心の底からわくわくしてくるものだった。画面を静止させておいていつまでも細部をのぞき込んでいたくなるような、そんな世界が広がっていた。

 望遠鏡(spy glass)はどういう意味を持つのだろう。なぜ、あの人たちはそれを持っていたのだろう。きっとシリーズを通して読んで、初めて意味を持つものなのだろう。

 あの不思議な望遠鏡はひょっとすると、現実世界と隣り合わせの「世にも不幸な世界」への入り口なのかもしれない。反対向きにしたら、「世にも幸せな世界」に戻ることができるのではないだろうか。でも、もうしばらくの間、不幸の側を覗いていたいと思った。

2005年/監督:ブラッド・シルバーリング「シティ・オブ・エンジェル」「キャスパー」「ムーンライト・マイル」/オラフ伯爵:ジム・キャリー「ブルース・オールマイティ」「マジェスティック」「トゥルー・マン・ショー」「ライアー・ライアー」「エターナル・サンシャイン」/レモニー・スニケット:ジュード・ロウ「クローサー」「コールドマウンテン」「ロード・トゥ・パーディション」「スターリングラード」「A.I.」「リプリー」「クロコダイルの涙」「オスカー・ワイルド」「ガタカ」/クラウス・ボードレール:リアム・エイケン(「ロード・トゥ・パーディション」「グッドナイト・ムーン」/ヴァイオレット・ボードレール:エミリー・ブラウニング/ミスター・ポー:ティモシー・スポール(「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「クロコダイルの涙」「チキンラン」「バニラ・スカイ」/ストラウス判事:キャサリン・オハラ/モンティおじさん:ビリー・コノリー「ラスト・サムライ」/警官:セドリック・ジ・エンタテイナー「ディボース・ショウ」/ジョセフィーンおばさん:メリル・ストリープ(「めぐりあう時間たち」「ミュージック・オブ・ハート」「母の眠り」「マディソン郡の橋」「クレイマー、クレイマー」/サニー・ボードレール:カラ&シェルビー・ホフマン

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» 映画「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」 [RAKUGAKI]
・大好きです。このノスタルジーを感じさせる雰囲気。世界観。物語。 ・予告編で見た [続きを読む]

受信: 2005/05/23 23:00

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