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2005/03/02

『オスカーとルシンダ』"Oscar and Lucinda"

↓↓ネタバレするかも      ↓↓
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 オスカーは繊細で、ストイックなまでに純粋な牧師。それゆえに、学生時代も世間とうまくやっていくことができず、愛する父からも離れ、不器用に生きてきた。ルシンダは、生まれつきの自由な思想の持ち主ゆえに世間に受け入れられず孤独感を持って生きてきた。両親の死後、孤児となったルシンダは莫大な遺産を受け継ぎ、ガラス工場を買い取り起業家となる。

 恐水症のオスカーと、ガラスに魅せられたルシンダ。性格も境遇も全く違う2人だが、ひとつだけ共通点があった。それはギャンブル。

 オスカーは、信仰自体、神の存在を信じることを担保にする大きな賭なのだから、小さな賭に神様が文句を言うはずがないと言い、賭で得た金も、必要最小限だけ使い、あとは寄付する。しかし、ギャンブルがやめられない自分に大きな罪悪感を持っている。ルシンダは、賭に負けると、親から受け継いだ莫大な遺産という心の重荷から逃れられる気がするという理由から賭にとりつかれている。

 ギャンブルは、2人にとって、心が満たされないことを示すものであり、親から継ぐべき物を正しく受け継げなかったという自責の念の象徴だ。

 その2人が、最大の賭をする。水、ガラス、宗教、そして2人のこれからへの希望、すべてが一緒になった大きな賭。自然豊かなオーストラリアの川を下るガラスの教会は本当に美しい。この賭は、どちらが勝っても2人に幸せをもたらすはずだった。罪は許され、重荷から解き放たれて終わるはずだった。結末は…。しかし、私には、これはハッピーエンドとしか思えない。贖罪の旅はこういう形で終わり、2人に幸せをもたらしたのではないだろうか。川で泳ぐ"2人"は洗礼を受けているようにさえ見える。

 大好きな映画だ。そして映画だけでなく、この2人がとても好きだ。床掃除の競争をする場面の2人の姿が永遠に続けば良かったのにと思う。
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1997年
監督:ジリアン・アームストロング(「若草物語」「シャーロット・グレイ」)
音楽:トーマス・ニューマン(「ロード・トゥ・パーディション」「ペイ・フォワード」「アメリカン・ビューティー」「グリーンマイル」「エリン・ブロコビッチ」「ショーシャンクの空に」「若草物語」)
オスカー/レイフ・ファインズ(「イングリッシュ・ペイシェント」「ナイロビの蜂」)
ルシンダ/ケイト・ブランシェット(「シッピング・ニュース」「ギフト」「リプリー」「エリザベス」「シャーロット・グレイ」)
ハセット牧師/サイアラン・ハインズ(「ミュンヘン」「オペラ座の怪人(ファーミンFiemin)」「ロード・トゥ・パーディション」)
*「 」内はその人の作品のうち見たことのあるものの題名

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