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2005/03/04

『アメリ』"Le Fabuleux destin d'Amelie Poulain"

 一風変わった生い立ちのアメリは、大人になり、家を出て、パリのアパートで一人暮らしをしている。仕事はカフェのウエイトレス。すばらしい想像力と、大きな目を輝かせての小悪魔的悪戯はますますエスカレートしていっている。

 この悪戯、時々、観客の許容範囲を超えた側へはみ出す。映画で目にする残虐な場面や、行き過ぎや、まやかしには慣れている観客も、この種の「悪戯」には慣れていないので、どぎまぎしてしまう。果たして肯定的に見ていって大丈夫なのだろうかと。

 しかし、寂しく家にこもりがちの父親を元気づけるために庭のドアーフ(小人)の置物に世界旅行をさせるエピソードを始めとした、安心して見ていられる素敵な「悪戯」たちに包まれていくうちに、だんだんとアメリの世界に引き込まれ、わくわくしてくる。気がつくと、もう観客はこの世界に取り込まれてしまう仕掛けだ。

 アメリは自分の孤独には気づいていない。こんな世界を共有できる人などいるわけない。ましてや、アメリにさらに輪を掛けたような変人など…。

 以下ネタバレしてます。反転して読んでください。→映画を見終わってからも、アメリとニノが今頃パリのどこかで頭を付き合わせて、次の楽しい悪戯の計画を練っているかもしれないと思えてきて、しばらく楽しい気分が続く。

 ずっと流れているおしゃれなアコーディオンの音楽と、一時代前の映画のようなナレーションがまたとても良い味を醸し出している。
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2001年
監督:ジャン・ピエール・ジュネ
アメリ/オドレイ・トトゥ
ニノ/マチュー・カソヴィッツ「ミュンヘン
*「 」内はその人の作品のうち見たことのあるものの題名

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コメント

最近のちんとんさんの鑑賞リストは,「観たいと思っていてもなかなか観る機会がないもの」が多いので,「読んだらマズい!」と思う記事ばかりなのが困りもの(笑)

さてこの「アメリ」は私のお気に入り作品です。観たのはパリの映画館ですが,観たその足でサントラを買い,翌日にはモン・マルトルへノコノコ出向きました(爆)
「わからん!」と叫ぶお父さん,大好きです(笑)

投稿: バウム | 2005/03/04 23:25

バウムクウヘンさん

これ、パリでご覧になったんですか。うらやましいなあ。映画を見たあと、この雰囲気に浸ることのできる街を歩けるなんて最高ですね。おまけに、そこでサントラを買ったなんて。

この土地でこれが見られて良かったという体験は私にもあります。ユダヤ人が多く住む地域で見た映画「プリンス・オブ・エジプト」と、ウィーンで見たミュージカル「エリザベート」。

でも、パリで「アメリ」を見るというのには、完全に「負け」です。いいなあ。

投稿: ちんとん | 2005/03/05 11:22

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» アメリ [CINEMA IN/OUT]
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品(2001年・仏) 観たいと思いつつも先延ばしにしててやっと観た作品です。 オドレイ・トトゥ扮するアメリがとってもキュートでした。カラフルでファッショナブルな映像、ファンタジックなところもある心温まるストーリー、ステキな音楽。この作品の虜になる方も多いと思います。 空想と悪戯に生きてきたアメリが現実の恋を前にして二の足を踏むところなどはとても甘酸っぱい感じがして、オクテな私などは自分まで胸が苦しくなりました(笑)。他人を幸せにした分、自分にも幸せ... [続きを読む]

受信: 2005/06/01 20:33

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