『リターン・トゥ・パラダイス』"Return to Paradise"
-=-=-[感想] ネタバレなし-=-=-
(日本未公開/日本語版ビデオなし)
卒業旅行でマレーシアに出かけて、はめをはずした3人。旅行中に知り合った5ヶ月間だけの友達。トニーとシェリフはアメリカに帰り、ルイスは自然保護運動のためにマレーシアに残った。ところが、2人が帰っていった翌日、別の用事でルイスのコッテージに来た警察官が麻薬であるハシシを発見する。1人で 100グラム以上の麻薬を所持していたことになったため、ルイスは自動的に麻薬ディーラーとみなされ死刑が宣告されることに。
それから2年後、死刑執行の日まで8日間を残すのみとなった時、弁護士のベスがアメリカでの快適な生活にどっぷりとつかっている2人を見つけ出し、ルイスのことを知らせる。「2人がマレーシアに戻り、法廷で証言し、自分の分の麻薬についての責任を取ることによってのみ、 ルイスを絞首刑から救うことができる。2人が戻れば3人それぞれが3年の禁固刑。1人が戻って3年の刑を受ければ、ルイスは6年の禁固刑になる」とルイスは説得を試みるのだが…。
トニーは知性に従って行動し、シェリフは心の叫びに従って行動するという対比が興味深く描かれていた。どちらも良心を持ち、勇気を持って行動することになるのだが…。3人の性格の違いが細かい描写によってよく表現されていて、結末もなるべくして起きるようになっている。よく計算されて描かれていると感心した。
麻薬所持に極刑を与える国についての報道が、ヨーロッパではともすると「野蛮な文化が文明人を裁く」というようにも取れる形になりがちだったことを、常々苦々しい気持ちで眺めていた。また、ヨーロッパの動物愛護、自然愛護団体と称する人達の中に極端な面が見られることも見ていたので、そういう点に配慮されている内容だったことにはほっとするものを感じた。しかし、まだその図式から抜け切れていない部分も残っていることを感じた。
*死刑制度が描かれている映画には他にこんなものがあります。
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1998年
監督:ジョセフ・ルーベン
シェリフ/ヴィンス・ヴォーン(「ザ・セル」「サイコ」「ロスト・ワールド ジェラシック・パーク」)
ベス/アン・ヘッチ(「ジョンQ 最後の決断」「サイコ」「ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ」「ラスト・サマー」「6デイズ/7ナイツ」「奇跡の詩」)
ルイス/ホアキン・フェニックス(「サイン」「ヴィレッジ」「グラディエーター」)
トニー/デイヴィッド・コンラッド
*「 」内はその人の作品のうち見たことのあるものの題名
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