« 『メリーに首ったけ』 "There's Something about Mary" | トップページ | 『リターン・トゥ・パラダイス』"Return to Paradise" »

2005/01/23

『クローン』 "Impostor"

-=-=-ネタバレは下のほうで反転表示-=-=-

 ケンタウリ星人との戦いにより、環境が破壊された地球。ひとびとはドームに守られた都市での生活を強いられている。主人公スペンサーは優秀な科学者。

 そのスペンサーにケンタウリ星から送り込まれた人間爆弾ではないかという嫌疑が掛けられる。権力の手によって生きたまま心臓から爆弾がえぐり取られそうになるが、危機一髪のところで逃げ出す。この人間爆弾というものは攻撃対象となる人物の近くで反応すると、自爆するという仕掛けがされていること以外は、記憶も肉体もDNAもすべて元の人間と同じに作られている。

 スペンサーは自分が人間なのか、あるいは人間だと信じるようにプログラムされている人間爆弾なのか不安を持ったまま逃げることになる。

 納得できないところはいっぱいあるのに、ゲイリー・シニーズの真剣に苦悩する表情と、薬による幻想とも薄く残っている記憶ともつかないフラッシュバックのような映像を見ていると、「自分は何者なのか」という根元的な不安がしっかりと伝わってくる。

 ここからネタバレ、反転させて読んでください→爆発する仕掛けが、実は「自分が何者かを知った時」であったことに気付いた時、私は絶句してしまった。だから、「俺は爆弾じゃない!」と叫んでいる被疑者から心臓をえぐり取って、爆弾を処理する必要があったわけだったのか。
---
2001年
監督:ゲイリー・フレダー
スペンサー/ゲイリー・シニーズ(「白いカラス」「二十日鼠と人間」「フォレスト・ガンプ一期一会」「アポロ13」「ミッション・トゥ・マーズ」「スネーク・アイズ」「グリーン・マイル」)
マヤ/マデリーン・ストーン
ハサウェイ/ヴィンセント・ドノフリオ(「ザ・セル」「マルコムX」「メン・イン・ブラック」)
*「 」内はその人の作品のうち見たことのあるものの題名

|

« 『メリーに首ったけ』 "There's Something about Mary" | トップページ | 『リターン・トゥ・パラダイス』"Return to Paradise" »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『クローン』 "Impostor":

« 『メリーに首ったけ』 "There's Something about Mary" | トップページ | 『リターン・トゥ・パラダイス』"Return to Paradise" »