『イングリッシュ・ペイシェント』 "English Patient"
-=-=-[感想] ネタバレなし-=-=-
ひとりひとりの人物全部が好きだ。
従軍看護婦のハナ。責任感と強いプロ意識を持つ強く美しい女性。戦場で親しい人の多くの死を見てきて傷ついている。
爆弾処理の中でも一番危ない仕事を請け負う、責任感の強いシーク教徒の兵士カラヴァッジョ。
浮き世を捨て、砂漠の歴史とロマンに生きる主人公アルマシー。
そのアルマシーと不倫の恋に落ちるキャサリン。彼女は結婚式に両親から飛行機を贈られたというほど裕福な家に育つ。教養があり、自分の意志をはっきりと持っている女性。砂漠の真ん中でトラックが動かなくなった時、さっさと車を降りて、「私は残る」と言い切る。その姿は魅力的だ。
ヒロインもヒーローも、全然正しくない。夫を裏切り、国を裏切る。間違ったことをしている。それも情熱的に。それなのに、"Why you hated me?" "I always loved you" という泣けるセリフはあの声と共に耳に焼き付く。
アルマシーとキャサリンの過去のストーリーと共に同時進行する現在のハナとカラヴァッジョのストーリー。現在のほうのストーリーには戦争に傷ついた2人の回復への希望がある。砂漠の中の洞窟にあった、泳いでいる人々が描かれた壁画、砂漠の民、そんなものの魅力が全部一緒になって、2時間以上の長編が長いとも感じられず、一気に見てしまった。
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1996年
監督:アンソニー・ミンゲラ(「リプリー」「コールドマウンテン」)
アルマシー/レイフ・ファインズ(「ナイロビの蜂」「オスカーとルシンダ」)
キャサリン/クリスティン・スコット=トーマス
ハナ/ジュリエット・ビノシュ(「ショコラ」)
カラヴァッジョ/ウィレム・デフォー(「ぼくの神様」「ルル・オン・ザ・ブリッジ」)
ジェフリー(夫)/コリン・ファース(「真珠の耳飾りの少女」「ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズの日記」「恋におちたシェイクスピア」)
*「 」内はその人の作品で見たことのあるものの題名。
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