『プラクティカル・マジック』"Practical Magic"
-=-=-[感想とあらすじ]ネタバレなし-=-=-
魔女の血を受け継ぐオーウェン家。白魔術を扱う家系なのだが、不幸なことに、オーウェン家の女性には、男性を好きになると、その男性が早死にするという血が流れている。主人公サリーとその妹ジリアンの母も、そして、2人を引き取って育てることになった叔母達も夫に早く死なれている。
ジリアンはそんな言い伝えには頓着せず、惚れ薬とセクシーさを武器に人生を楽しむ。一方、サリーは愛する人に早死にされるような不幸な目にあいたくないと考え、幼い時に、現実にはありえない「右目が青で左目が緑」などという男性像を描き、その人と恋に陥るという魔法を自分にかける。そして、魔法を使うことを禁じ、まじめに、自分を律しながら生活していくのだが…。
オカルトのようでもあり、サスペンスのようでもあり、ロマンスのようでもあり、コメディのようでもあり…。しかし、そういうジャンルを越えたところに、しがらみから放たれて自由に生きよ!という女性へのメッセージを感じる。男運の悪い人、型にはまって窮屈に生きている人、夫に早死にされた人、失恋した人、そしてもう若くはない女性達にも「元気に生きよう!」と言っているように思えた。
最後のほうの、女性達がほうきを持って集合してくる場面は壮快。普通の女性達ももしかすると、少しばかり魔女なのかもしれない…と思えてくる。
サリー役のサンドラ・バロックが、話の展開に伴って、段階的に違った美しさを見せ、輝きを増していくところがすばらしい。また、ジリアン役のニコール・キッドマンの、2面性を演じ分ける演技力もみどころとなっている。
---
1998年
監督:ダリフィン・ダン(「ザ・インターネット)
サリー/サンドラ・ブロック(「クラッシュ」「恋は嵐のように」「あなたが寝ている間に」「ザ・インターネット」)
ジリアン/ニコール・キッドマン(「ムーラン・ルージュ」「アイズ・ワイド・シャット」「白いカラス」「コールドマウンテン」「ドッグ・ヴィル」「めぐりあう時間たち」「アザーズ」)
フランシス/ストッカード・チャニング
*「 」内はその人の作品のうち見たことのあるものの題名
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
この映画、つっきーは劇場に一人で観に行きました。
ちんとんさんと同感ですね。初めはぱっとしないサンドラ・ブロックですが、妹想いの優しいお姉さんで、妹の危機に強くなり、出会いがあってときめくと綺麗になって・・・女性ってその時おかれた状況で、本当にめまぐるしく変わるものですよね。
ニコール・キッドマンも奔放そうに振舞うけれども、実はやっぱりお姉さんを慕っていて、お姉さんが精神的にピンチの時はきっちりそばについていてあげる。ある事件に遭遇してからはサンドラ・二コールともに、強くなりすぎて(?)逆にコメディっぽくも見えて・・・。
(ネタバレ?)
ラストは忌み嫌われていた近所の人たちともすっかり
仲良くなっての大団円。本当にすがすがしい気持ちで劇場を後にできました。こういう元気をくれる映画っていいですよね。
投稿: つっきー | 2005/02/28 18:24
私、魔女モノ…というジャンルがあるかどうか知りませんが、魔女が出てくる映画も絵本も好きなんです。「ホーカスポーカス」というのが好きでまた見たいと思っているのですが、機会がありません。
どうして好きかというと、まさに「元気をくれるから」なんです。型にはまらなくていいんだよ、自由に生きればって。現実には、なかなかそういうふうになれないんですけれどね。
投稿: ちんとん | 2005/03/01 20:57