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2004/12/12

『ガタカ』"Gattaca"

-=-=-[あらすじと感想] ネタバレなし-=-=-


 「普通の妊娠」は、両親の遺伝子から最良のものを選び、組み合わされようになるという未来の話。主人公ヴィンセントは、両親の愛の行為から生まれたため、その遺伝子は「普通の妊娠」から生まれた弟とは決定的に異なっている。ひ弱な外見。劣性の象徴である眼鏡。

 生まれた時の血液検査で、未来が決定され、その遺伝子情報は、就職、結婚、人物判定すべてについてまわり、決定的なものとして扱われる。人種差別がなくなったかわりに、"劣性の遺伝子"を持つ新たな下層階級が形成される。ヴィンセントがいくら宇宙飛行士を夢みても、その未来は、生まれた時から決定されているのだ。

 そんなあるとき、思いがけないことが起こり....。ヴィンセントは困った立場に追い込まれていく。

 この映画を見終わった時、虚無感だけが残った。ところが、しばらくして思い返すと、何か懐かしいような、良い気分がわいてくる。生まれた時に決められた運命にいやおうなく流されていく中で、人々の意志が、強い闘争的な形ではなく、静かに流れるような穏やかな意志として示される。この「静かな意志」が、あとになってわきおこってくる共鳴につながるのだろう。

 希望を持つことの貴さがテーマとなり、兄弟愛や父の愛がサブテーマのようになっているのだが、私は、主人公でもない、挫折してしまったエリートである、ユージーンのことが気になってしかたがなかった。この映画で初めて知ったジュード・ロウという役者が光りすぎていたからかもしれないが。
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1997年
監督:アンドリュー・ニコル(「シモーヌ」「トゥルーマン・ショウ(脚本)」)
ヴィンセント/イーサン・ホーク(「ヒマラヤ杉に降る雪」「トレーニング・デイ」)
ユージーン/ジュード・ロウ(「クローサー」)
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」「コールドマウンテン」「AI」「スターリングラード」「リプリー」「クロコダイルの涙」「ロード・トゥ・パーティション」「オスカー・ワイルド」)
アイリーン/ユマ・サーマン「プロデューサーズ
*「 」内は、その人の作品で見たことのあるものの題名。

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コメント

「ガタカ」、隠れた名作とつっきーは思っておりますが、世間の評価は割と高いようですね。(笑)
つっきーもイーサン・ホークよりジュード・ロウ演ずるユージーンに目を奪われたクチです。「リプリー」「A.I.」ともにジュード・ロウにばかり目を奪われっぱなしです。彼は主役よりも脇役で主役を食うポジションにいて欲しい・・・勝手にそう思っていたりします。(迷惑なファン)

投稿: つっきー | 2005/02/25 03:39

わぁ、つっきーさんも、ユージーンが気に掛かった人なんですね。

「脇役で主役を食うポジション」というのは、良いところを突いていますね。本当に、そうだ。『スターリングラード』は主役といっても、重みのあるエド・ハリスを食いながらの主役とも言えますしね。すとんと納得しました。

投稿: ちんとん | 2005/02/26 00:16

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