『ぼくの神様』"Edges of The Lord"
-=-=-[作品のメッセージ] ネタバレなし-=-=-
ナチスのユダヤ人強制連行を逃れるため、11歳のロメックは、ポーランドの片田舎の農家に、ただ1人預けられる。
心の中ではユダヤの神を信じていることを隠しながら、カトリックとしての生活を送るロメック。彼の、神父の部屋での一場面。神父は心のうちを語るロメックに正餐式のために用意したパンをすすめる。ロメックは、キリストの肉を意味するパンを口にすることはできないと、たじろぐ。その心を理解した神父は、これは丸いパンの型を抜いたあとのはじっこ(=edge)だから大丈夫だと言う。
一方、ロメックが預けられた家の子、トロは、村人がナチスに虐殺される現場を見てしまったことをきっかけに、深く傷つき、犠牲者としてのキリストに自分を同化させようと、奇怪な行動を取るようになる。
最後の場面に、このトロの行動と、はじっこ(=edge)の場面とを重ね合わせると、キリスト教とユダヤ教の共存の図式が、子ども向けの絵本のように単純な形で浮き出してくることがわかる。
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2002年
監督:ユレク・ボガエヴィッチ
トロ/リアム・ヘス
ロメック/ハーレイ・ジョエル・オスメント(「シックス・センス」「ペイ・フォワード」「A.I」
ヴラデック/リチャード・バネル
神父/ウィレム・デフォー(「イングリッシュ・ペイシェント」「ルル・オン・ザ・ブリッジ」)
2002年
*「 」内は、その人の作品で見たことのあるものの題名。
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