『シティ・オブ・エンジェル』"City of Angels"
-=-=-[ちんとん的拡大解釈] ネタバレなし-=-=-
羽根のない天使達。黒づくめの服に、長く黒いコートを羽織り、高層ビルや建築中のビルの屋上のあちこちにたたずみ、ときには高いビルにある看板の上で静かに語り合う。天使だというこの男達は不気味で、死に神のような雰囲気さえ漂う。永遠の命を持ち、食べ物を食べる必要もなく、痛みも感じない。しかし、それゆえに「感じる(feel)」とはいったいどんな感覚なんだろうと憧れている。
「感じる」ことがどんなことかを知らない人間が、みずみずしい果物の味を知り、シャワーの心地よさを知り、そして愛を…。無垢な人間が「感じること」の段階をひとつひとつ登って、純粋な愛の感覚に達していくことがテーマだと解釈すると、ものすごく官能的なラブ・ストーリーなのではとも思えてくる。
テーマ曲がこの感覚をすばらしく伝えている。CDを買ってしまった。
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1998年
監督:ブラッド・シルバーリング(「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」「キャスパー」「ムーンライト・マイル」)
セス/ニコラス・ケイジ(「スネーク・アイズ」「ザ・ロック」)
マギー/メグ・ライアン(「ユー・ゴット・メール」「めぐり合う日々」「電話で抱きしめて」)
*「 」内は、その人の作品で見たことのあるものの題名。
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コメント
どうもです。ちんとんさんの過去の記事を読んで、ヒットした作品にコメントをつけてまわっているので、「今頃なんで?」と思われているんじゃないかとヒヤヒヤです。(笑)
この映画も劇場に一人で観に行きました。(つっきーは基本的に一人で映画を観に行く人なのです)
切ない映画でした・・・。
今まで五感で「感じる」ことができなかった人(?)が、「感じることができる」ようになったときって、まさに赤ちゃんが「お腹空いた」「痛い」「熱い」といろんな感覚を体験して憶えていくのと同じような感じなんじゃないでしょうか。何もかもが新鮮で、驚きの連続で。少し羨ましい気もします。
そんな彼が映画のラストで感じる感覚が、アレなのはとても悲しい、悲しすぎる。もう一度観たくなりました。
投稿: つっきー | 2005/03/02 02:11
つっきーさん、コメントありがとうございます。
昔、見た映画も含めて、宝箱の中に取っておきたいという気持ちでここに書いていっているので、いつ書いたものにいただくコメントも大歓迎です。
この映画のもとになったと言われている「ベルリン天使の詩」も見たことがあります。天使についての発想はほとんど同じなのですが、「ベルリン…」のほうはたくさんのものを詰め込んで重厚な味を出しているのに対して、こちらは「感覚」を中心に据えたラブストーリーにしている点、すっきりと喜びを共感できる作りになっていると思いました。
だからこそ、しっかり共感して見ていったのにこんな目に合わせないで!と思ってしまいました。
投稿: ちんとん | 2005/03/02 20:14