『母の眠り』 "One True Thing"
-=-=-[あらすじと感想]-=-=-
母親役のメリル・ストリープが、抗ガン剤治療で衰弱していき、その中で、キラリと見せる美しさ、やさしさ、すさまじさのすべてをとことん演じ切っている。最後まで哀しいストーリー。
エレンは野心を持ち、ニューヨークのジャーナリズムの世界で働いている。父は、大学教授で小説家でもあり、エレンにとって尊敬する憧れの人だ。一方、家をきれいに整え、季節季節の飾り付け、行事の料理に心を砕き、地域の福祉活動も熱心にしている母ケイトとは波長が合わず、ああいうふうにはなりたくないと思っている。
ところが、その母が進行癌に掛かっているが判明し、父はエレンを家に呼び寄せる。仕事を続けることも困難になり、ボーイフレンドとの仲も悪くなるという犠牲を払い、母の看病と家事をするエレンに見えてきたのは、尊敬していたはずの父の別の面。そして、母への気持ちにも変化が生じてくる。
割れた皿をモザイクのように張り合わせて装飾を作るケイトの趣味は、家族とその中でのケイトの役割を象徴するものでもある。ケイトがエレンに伝えたかったことを語るシーンはすばらしい迫力。
---
1998年
監督:カール・フランクリン
母ケイト/メリル・ストリープ(「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」「めぐりあう時間たち」「ミュージック・オブ・ハート」「マディソン郡の橋」)
父ジョージ/ウィリアム・ハート(「ヴィレッジ」)
娘エレン/レニー・ゼルウェガー(「コールドマウンテン」「ブリジット・ジョーンズの日記」「シカゴ」)
息子/トム・エヴェレット・スコット(「デッド・マン・オン・キャンパス)
*「 」内はその人の作品で見たことのあるもの
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント