『永遠のマリア・カラス』 "Callas Forever"
-=-=-[感想] ネタバレなし-=-=-
マリア・カラスって本当にすごい人だったのだなと思った。映画化されたという「カルメン」、見てみたかったと思う。
マリア・カラスは、日本公演の声が最悪だったことで傷ついている。ジャクリーンと一緒になったオナシスが亡くなってからは1人寂しくパリの家に籠もって暮らしている。出なくなってしまった声で、昔の自分の声のレコードに合わせて歌い、泣き崩れる場面は悲痛だ。
そんな日々を送っていたのだが、プロデューサーのラリーに、全盛期に録音した声を使って新しいオペラ映画を作ろうと説得される。そして、今までに演じたことのなり「カルメン」に挑む。一時は生き生きと演技し、情熱的にフラメンコの練習をするカラスがよみがえるのだが…。
カラスのわがままに辟易しながらも、共に歩む、プロデューサーのラリーと評論家のサラの存在が共感できる形で描かれている。
昔の若さ、そして若かった頃にできたことを思い、悲しく感じるのは平凡な人生を送っている人でも同じこと。マリア・カラスを描くことによって、それがより明確に描き出され、理解され、そして普遍化され、共感を生む。「平凡な人生だったらもっと幸福だったのに」なんて、最後に言わなくてもいいのに。
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2003年
監督:フランコ・ゼフィレッリ
マリア・カラス/ファニー・アルダン
ラリー/ジェレミー・アイアンズ
サラ/ジェーン・ブローライト
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